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中国版ChatGPT、異常な盛り上がりでカオス 出オチでClubhouseの二の舞も……浦上早苗の中国式ニューエコノミー(2/6 ページ)

» 2023年02月23日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

「大喜利」としての面白さ?

 この記事を読んでいる人は、既にChatGPTについて知識があるだろうから、同技術や対話型AIの説明は省略させていただく。ChatGPTが、リリースからそう時間が経っておらず、かつ応用シーンも定まっていないのに、「IT業界のバズ」にとどまらずビジネス界の主要トピックに昇格したのは、主に2つの理由がありそうだ。

 ChatGPTがビジネス界の主要トピックとなった理由のうち、1つ目はMicrosoft、Googleと世界的なメガテックが本格的な投資を表明し、「多くの産業に破壊と創造が起きるのでは」と想起を呼んだこと。2つ目はその技術が誰でも試せるからだろう。

OpenAIによるChatGPTのWebサイト

 筆者の周囲でも毎日のように「こういう質問したら、こういう回答でした」の事例がシェアされ、AIの回答に人間が突っ込む大喜利が発生している。今のところ、ChatGPTはその答えが的確でも間違っていても人間の興味を引き付ける「コミュニケーションツール」として流行っており、初速も含めて音声SNS「Clubhouse」を彷彿(ほうふつ)とさせる。

 そして中国ではChatGPTは使えない。Clubhouseは中国当局が遮断したが、ChatGPTはリリース時から中国のIPアドレスや電話番号で登録できない仕様になっており、中国から利用しているのは、アクセスポイントを偽装するソフトや外国の電話番号でアクセスする「IT通」に限られる。

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