ソニー、法人展開していたクラウドサービスを個人向けに投入 写真・動画のアップに編集機能、共同作業も

[ITmedia]

　ソニーは2月22日、法人向けクラウド制作プラットフォーム「Creator's Cloud」を個人向けにも提供開始したと発表した。動画や静止画をアップロードできる他、クラウドAIを活用した動画編集機能、コミュニティ機能を備える。

ソニーのクラウドサービス「Creator's Cloud」

　Creator's Cloudは、撮影データをクラウドにアップロードするスマートフォンアプリ「Creators' App」、カメラメタデータとAIを活用した動画編集サービス「Master Cut」（β版）、共同作業が可能なメディアストレージ「Ci Media Cloud」、クリエイター同士がつながって作品を発信するコミュニティ機能「Discover」などで構成される。

　Creators' Appは、スマートフォン経由でのカメラデータのアップロードに加え、今後はカメラから直接データを保存する機能も提供予定。ソニー製の対象カメラを持つユーザーは、通常5GBの無償ストレージ容量を25GBまで拡大する。また、アップロードしたデータは、Master Cutからアクセスすることができる。

カメラデータをアップロードできるスマートフォンアプリ「Creators' App」

　Master Cutは、撮影する動画だけでなく、撮影時に収録されるカメラとレンズのさまざまなメタデータと、クラウドAI技術を活用することで、クラウド上で撮影時のメタデータを使った高精度な手ブレ補正、類似シーンのグルーピング、ノイズ除去や音声レベルの最適化などを処理でき、ノンリニア編集での最終制作前の下地作りを高品質かつ手軽に行えるとしている。

　今後は、クリップの明るさ補正、S-Log3で撮影した動画コンテンツへの対応、プロキシーファイルを活用した映像制作ワークフローなどへの対応予定する。

「Master Cut」

　Ci Media Cloudは、素材や編集映像を共有できるサービスで、すでに世界中で15万人以上の法人ユーザーに利用されているという。新たに個人ユーザーの「My Sony ID」でログインできるようにするなど、利便性を向上している。また、スマートフォンやApple TV用のアプリも提供しており、マルチデバイスでの制作ワークフローを支援。Adobe Premiere Proのパネル機能にも対応するという。

　同社によると、当初はクラウドを活用した編集サポートから、クリエーター間の交流や共同作業を可能にする環境を提供。個人が1人で実現するのが難しい、高度なコンテンツ創作活動をサポートするという。