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ARR110億間近のSmartHR、なぜ次は「タレントマネジメント」領域なのか(2/2 ページ)

» 2023年03月14日 15時53分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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マルチプロダクト戦略

 これは労務管理SaaSとして急速な成長を遂げたSmartHRが、マルチプロダクトに本格的にかじを切ったということでもある。そのために、複数プロダクトが参照したり利用できる基盤として、従業員データベース、ID基盤、権限基盤、UIコンポーネントなどを整備してきた。

マルチプロダクト戦略に対応するため、基盤を整備してきた

 Web中心だったところに、スマホアプリの開発も始めている。

 APIを通じてSmartHRにアクセスできる社外サービスを集めたアプリストアもリリースしており、「安否確認サービス」や「ストレスチェッカー」など現時点で17のアプリを提供中だ。

 さらには、外部機能を使ってSmartHRの基本機能を拡張できるプラグイン形式にも対応した。直近の通勤経路検索機能はNAVITIMEのAPIを使ってプラグインとして拡張したものだ。さらに、SaaSが苦手とする“個社カスタマイズ”のニーズにも、プラグインを使えば対応できるのではないかと想定している。

 直近でも50%を超えるARR成長率を持つ同社。労働管理SaaS市場も、クラウド化の浸透率は3.1%に過ぎず「まだ広大な市場が残っている」と芹澤氏はみる。そこに成長領域であるタレントマネジメント領域への注力で、同社の成長はまだまだ止まらなそうだ。

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