3月22日からGREENFUNDINGで支援開始となった「Nukii」は、台湾Maktar社が開発したUSBメモリで、世界発となるNFCを利用したロック機能を持つ。今回は発売に先がけてサンプルをお送りいただいている。
まず専用アプリでNukiiとペアリングしたのち、ロック解除をNFCを使って行なう。NFCはJR等の自動改札で皆散々使っている(交通系ICで使われているFeliCaはNFC Type-Fに分類)と思うが、最近確定申告でマイナンバーカードのロック解除を行なった人も多いだろう。要するにあの要領で、USBメモリをスマホ後ろのNFCセンサー部に当ててロックを解除する。
そののち、PCへ突っ込んでデータを書き込む。PCからNukiiを抜くと、そこで自動的にロックがかかる仕組みだ。試しにロックがかかった状態のNukiiを差し込んでみたが、そもそもマウントすらしない。MacOSのディスクユーリティティで見てみたが、こちらでもマウントしていない。そもそもマウントしないので、ツールを使ってどうこうすることもできない。
中身を読み出すには、再びスマホのNFCを使って解除したのち、差し込む必要がある。スマホはほぼ身の回りに置いているだろうし、PC側の操作が不要で、かつパスワードも不要なので、運用はかなり楽なはずだ。
アプリではさまざまな機能が提供されている。「共有」機能は、所有者本人以外でもロック解除できる機能だ。共有者を追加するには、相手方のスマホのQRコードを読み取る必要がある。つまり物理的に近くにいるか、スマホが近くにあるという関係であることを担保する。
この共有は、読み書きできるパターンと、読み込みだけできるパターンの2つが設定できる。情報の書き換えはNGという運用もできるところが、一般のUSBメモリとは異なる。
また遠隔からのデータ削除もできる。スマートフォンには遠隔からデータを消せる機能が実装されているが、USBメモリでも同様のことができたらいいのに、と考える人は多いだろう。
共有ユーザーに見せるとマズいデータが入っていたという時には、共有ユーザーを削除すればロック解除できなくなるが、すでにロックは解除してるかも、というタイミングなら間に合わない。そこで遠隔データ削除機能を使うと、NukiiがPCに差し込まれたタイミングで中身が削除される。
ただこの機能は、誰かと共有設定している場合に限られる。使うのは自分1人だが、遠隔削除機能を使いたいという場合は、自分のスマホをもう1台用意してそちらに共有設定しておけばよい。スマホ2台持ちの人も多いだろうし、信頼できるパートナーのを借りてもいいだろう。
なおうっかりスマホを機種変しても、アカウントにログインできれば設定が引き継がれるため、これまで通り利用できる。
紛失時の位置情報を知らせる機能はないが、それゆえにバッテリー切れを心配する必要がないのもメリットだ。セキュリティ的にやれることを全部やった上で限定共有もできるという点で、USBメモリ的には最先端ということになるだろう。
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