ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

イーロン・マスク氏、X.AI社をネバダ州で登録 OpenAI対抗か

» 2023年04月16日 07時59分 公開
[ITmedia]

 起業家のイーロン・マスク氏がChatGPTを手掛ける米OpenAIと競合する新しいAI企業を立ち上げる計画だと、米Financial Timesが4月15日(現地時間)、この件に詳しい複数の関係者からの話に基づいて報じた。また、米Wall Street Journalは14日、マスク氏が3月にX.AIという企業を設立したと、ネバダ州の事業届け出文書に基づいて報じた。(ネバダ州には法人所得税に当たる税金がないなど、企業設立に有利な州として知られている。)

 elon

 文書では、マスク氏がX.AIの唯一の取締役となっているが、企業の目的は記載されていないという。法人化手続きをしたのはマスク氏の秘書として同氏の個人資産を管理するジャレッド・バーチャル氏となっている。

 マスク氏は生成系AI関連の新プロジェクトのために米NVIDIAから大量の構成のGPUを購入したとうわさされている。マスク氏は英BBCのインタビュー後の「スペース」でのQ&Aで、「TwitterとTeslaはたしかにGPUを購入した」と認めた。

 Financial Timesによると、マスク氏は米Google系列のAI企業DeepMindの元従業員であるイゴール・バブシュキン氏などのトップエンジニアを採用しているという。

 マスク氏はまた、この新プロジェクトに投資するよう同氏がCEOを務めるSpaceXとTeslaの投資家に持ちかけているという。

 マスク氏はネバダ州でXという企業も設立しており、買収した米Twitterを同社に統合したことが4日に明らかになっている。

 同氏はTwitterを買収した昨年10月、「Twitterの買収は、すべてのアプリであるXの開発を促進するものだ」とツイートしている。

 一方マスク氏は、OpenAIによる「GPT-4」より強力なAIシステムの開発と運用を少なくとも6カ月間停止するように呼びかける書簡に署名している。

 OpenAIのサム・アルトマンCEOはWall Street Journalの記事のツイートに「Concerning」(「興味深い」という意味とも「心配している」という意味ともとれる)とリプライし、直後に笑い転げる顔の絵文字をツイートした。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.