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ソニー“着るエアコン”に新作 さっそく試してわかった「REON POCKET 4」の進化っぷり小寺信良のIT大作戦(3/3 ページ)

» 2023年04月20日 11時30分 公開
[小寺信良ITmedia]
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冷やす、温めるもフルオートに

 REON POCKET 3には、「SMERT COOL MODE」という機能があった。これは本体内の温度センサーやモーションセンサーを使い、行動や服の中の温度を検知、狙った温度に対して温度を下げていき、その温度に達したらそれよりも下がりすぎないよう自動調整するというものだ。

 これは、エアコンの効いた社内から暑い社外に出て徒歩で地下鉄駅に向かうも、電車内はまたヒエヒエ、みたいなときに、いちいちスマホを取りだして温度調整しなくていいようにと実装された機能である。

 ただのSMART MODEは、冷やす方しかできなかった。夏は薄着なので、本体でも外気温度が取りやすいが、冬の厚着した状態では、本体内センサーでは正確な外気温度が取れないという課題があったからだ。

 そこで、温湿度・照度・近接・加速度といった各種センサーを搭載した外付けのタグが用意された。「REON POCKET TAG」は、後ろにクリップが付いたセンサータグで、胸ポケットやカバンなどに付けておいて、環境の温度変化を素早くセンシングする。これにより、冬場のウォームモード使用時でも、「SMERT WARM MODE」が使えるようになった。

外部センサーの「REON POCKET TAG」(左)

 このセンサーはSMART COOL MODEでも動作するので、COOLからWARMまで、手動のモード切り替えなしで全自動動作するようになった。設定した温度より高ければCOOL MODEで動くし、設定温度より低ければWARM MODEで動く。寒暖差の激しい春秋や、外は雪でも室内はTシャツ1枚みたいな地域でも、ノンストップで利用できる。

SMART MODEがCOOLとWARM両対応に
動作開始温度を決められる

 従来のSMART COOL MODEでは、本体だけで体温をセンシングしていたので、外気温の変化に対して動作モードの変化がどうしても遅れがちになっていた。これがセンサーを外に出したことで、よりリニアに温度変化に対して追従できるようになった。

 加速度センサーが入っているのは、ユーザーの動きを検知するためだ。歩いているときは環境変化が早いはずという予測から、Bluetoothでのデータ送信頻度を上げる。動きがなければ同じ場所にいると判断し、データ送信頻度を下げてバッテリーを節約する。ボタン電池1つで、1年程度動作できるようだ。

 また普通に温度計としても利用できるので、スマホやスマートウォッチで現在の実気温がチェックできるというメリットもある。「REON POCKET TAG」は別売で3,850円前後となっているが、本体に同梱のキットもある。本体、ネックバンド、TAGが同梱で18,700円前後だ。

現在の温度と湿度も確認できる

 なおこのREON POCKET TAGとの連携は、REON POCKET 3でも動作する。すでに3をお持ちの方でもこのTAGだけ買えば、「SMART COOL WARM MODE」が利用できるようになる。

 ソニーはもともと、映像や音による快適性を追求している会社である。ある意味皮膚に触れずに体感を刺激することをずっとやってきたわけだが、REON POCKETは実際に皮膚感覚をセンシングして快適性を提供するという、フィジカルな商品である。世の中が次第にバーチャルになる流れの中で、フィジカルな快楽に全振りする製品があるというところが、幅が広いし面白い。

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