本連載の「Teslaはソフトウェアアップデートでどう変わるの? 死角確認、性能アップ、クルマのダンス、ドッグモード」 において、クルマがダンスする「ライトショー」が日本では封印されていることをご紹介しました。しかし、実際には、既に日本語化され実装済みだったことが判明したのです。なんらかの理由で封印されていたわけです。その機能を隠しコマンドで呼び出すことができます。SNSのTeslaコミュニティー界隈では大いに話題になりました。
詳細は省きますが、自宅の駐車場(私有地)で試してみると、YouTube等で見る、まごうことなきライトショーそのものでした。ライト類がイルミネーションのように点滅し、前方に「TESLA」の文字を投影します。さらに、窓、サイドミラー、リアトランク、充電ポートのカバーなどが楽曲にシンクロして開いたり閉まったりします。
ただ、この機能、日本で封印されているということは、法規制に抵触するなど、なんらかの理由があってのことだと推測します。うかつに公道上で実施してしまうと、法を犯す可能性もあるので気をつけましょう。
考えてみればライトショーは、クルマとしての主たる機能である「移動」において、大きな意味を持つものではありません。ドライバーがライト類のチェックを実施するための機能という側面もあるようですが、それにしても、音楽に合わせて各部を動作させたり、ライトを派手に点滅させる必要はありません。
ある意味大いなる「無駄」を内包した身体(車体)を張ったギミックと言えます。しかし、このような部分にまで、相応のリソースを割いて「まじめに」実装してくるテスラという企業の文化に、あきれてものが言えません(褒め言葉)。
以前、「Teslaのワクワク感はなぜ伝わらないのか」 で言及したように、機能的価値と情緒的価値が同居するクルマという商品において、Teslaは、これまでにない考え方で情緒的価値を高めようとしています。
ライトショーなどは、その典型例ではないでしょうか。ソフトウェアを駆使したこの機能は、驚いたことに、オープンソースの開発プラットフォームであるGitHubにそのプログラミング方法を公開しています。
したがって、ユーザー自身の手で音楽に合わせてライトの点滅や可動部位の動作シーケンスをプログラムすることができます。このあたりからも、日本やドイツの老舗クルマメーカーが考えも及ばないような価値をユーザーに提供しようとしていることが見て取れます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR