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家のカギが「サービス終了」で物議 その後の対応は? スマートロックのQrioに聞く(2/2 ページ)

» 2023年05月17日 13時00分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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SNSでは不信感もあらわに

 こうした対応についてTwitter上では「早すぎる」「家電ならまだしも家の鍵はつらい」といった否定的な意見が相次いだ。

サービス終了の案内(一部)

 Qrioはユーザーに対して後継製品「Q-SL2」のセール販売を行うとしている。しかしQ-SL2も発売から5年が経過しているためか「いつサービス終了するか分からないものは買えない」「Qrioは二度と選べない」といった意見も目立つ。

 中には「製造終了から5年なら残当」という意見もあったが、一方で「IoT製品は怖くてもう買えない」「5年程度で突然使えなくなる製品なのね、という認識になった」など、スマートロックやIoT機器全般に対する不信感をあらわにする人もいた。

 サービス終了以外の対応はできなかったのか。ITmedia NEWSは13日に以下4つの質問を送り、17日に回答をもらった。

質問(要約)

1)サブスク移行など別の方法はなかったのか

2)IoT機器への不信感につながっているがどう思うか

3)販売を続けているショップに対応は?

4)サービス終了後のサポートは?

回答

 Qrio株式会社のスマートロック旧製品『Qrio Smart Lock(Q-SL1)』は2015年の発売開始以降、お客様にご愛顧いただいておりましたが、最終出荷から3年経過した2021年にソフトウェア更新の提供終了のご案内をさせていただいておりました。

 Qrio Smart Lock(Q-SL1)ソフトウェア更新終了のお知らせ(https://qrio.me/article/announce/2021/3363/)

 このたび、直近の市場環境やビジネス状況などを総合的に勘案し、2023年10月31日にサービス終了することを5月8日にHPにてご案内致しました。

 今回のサービス終了に伴い、新規アカウント登録、新規ログイン、新規ロック登録、新規カギ発行等が行えなくなるため、オーナーアカウントご利用者様には現行製品である『Qrio Lock(Q-SL2』を個別にご案内させていただいております。お客様にはご不便をおかけしますことをお詫び申し上げます。

 また、ECサイトなどでの販売状況については、サービス終了に伴い、正規販売に関しては在庫の引取を進めており、現在(5/15時点)は販売停止を確認しております。

 一部、非正規ルートで仕入れを行っている事業者が継続して販売を行っているため、サービス停止に伴い販売停止するよう連絡を実施しております。

 お問い合わせ対応に関しましては、Q-SL1専用のサポート窓口をサービスの停止をもって終了させていただきますが、当該終了以降は、弊社HP のサービス終了についてのお知らせページ内にて、お問い合わせリンクをご用意しておりますので、そちらから個別に対応させていただくことを想定しております。

 別途、ソニー宛にスマートホームサービスMANOMAに関するお問い合わせもいただいておりましたが、MANOMAにおいては、Q-SL2を提供しており現時点でQ-SL1を利用したサービスは稼働しておりません。

 直近の対応として、Q-SL1の販売終了と問い合わせ受け付けの継続は確認できた。しかしサービス終了に関する質問は回答をもらえなかった。

 IoT機器のサービスをいつまで続けるかは、Qrioのみならず他のメーカーや事業者もいずれ直面する問題だ。そのとき利用者がいかに納得できる形で終了できるか、その手腕が問われることになる。

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