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「iPhone 15 Pro」で現代に復活したAndroidスマホ黎明期の“ある機能” Vision Proとの合わせ技で復権なるか(2/5 ページ)

» 2023年09月13日 07時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

複眼スマホカメラの源流

 皮切りになったのが、2011年に発売されたシャープ「AQUOS PHONE」(ドコモ版:SH-12C、au版:IS12SH、ソフトバンク版:006SH)と台湾HTCの「EVO 3D」(au版:ISW12HT)だ。2機種の発売時期は僅差だが、日本ではAQUOS PHONEが5〜6月、EVO 3Dが11月発売なので、AQUOS PHONEがAndroidスマートフォンとして(筆者が知る限りでは)初めて2眼のアウトカメラを搭載したモデルとなる。ディスプレイも裸眼での3D表示に対応していた。

台湾HTCの「EVO 3D」(au版:ISW12HT)。500万画素のカメラを2つ備え3D撮影機能をアピールしていた
シャープの「AQUOS PHONE」(ドコモ版:SH-12C)。ISW12HTと僅差だが発売はこっちが先

 カメラが2つあると何がいいのか、に対する当時の回答は「3Dが撮れる」だったのだ。

3Dが撮れても見られても……

 ところが、3Dテレビと同じく3Dスマホも続かない。HTCで3D撮影・鑑賞を打ち出すモデルはEVO 3Dが最初で最後であったし、シャープは前後に裸眼3D表示ディスプレイ搭載モデルをいくつか出したものの、以後3D撮影や表示をうたうモデルはなくなった。

 これはEVO 3Dユーザーでもあった筆者の私見だが、「3Dが撮れても仕方なかった」ということに尽きる。3Dだからといって画質がいいわけではないし、それを鑑賞する環境も非常に限られた。

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