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EU、MetaのザッカーバーグCEOにも偽情報対策を要請

» 2023年10月12日 09時11分 公開
[ITmedia]

 欧州連合(EU)の欧州委員会で産業政策などを担当するティエリー・ブルトン委員は10月11日(現地時間)、米Metaのマーク・ザッカーバーグCEOに宛てた書簡をXにポストした。


 内容は前日に米X(旧Twitter)のイーロン・マスク氏に宛てた書簡と同様、プラットフォーム上の偽情報対策を要請するものだ。X宛てのハマスとイスラエルの軍事衝突関連のものに加え、欧州諸国での選挙関連の偽情報対策についても要請した。

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 ブルトン氏は「ハマスによるイスラエルに対するテロ攻撃を受けて、特定のプラットフォームを介してEU内で違法コンテンツや偽情報が急増している」と指摘。具体名は挙げていないが、MetaはFacebook、Instagram、Threads、WhatsAppなどのプラットフォームを運営している。

 Metaは昨年6月、Twitter(当時)やGoogleなどと共に、欧州委員会の偽情報対策の新規範に署名しており、EUが今年8月に発効したDSA(デジタルサービス法)の対象企業の1社だ。

 これにより、Metaはプラットフォーム上の偽情報やヘイトスピーチなどを監視し、削除する責任を負っている。DSAに違反した場合、年間収益の6%に相当する罰金が科せられる可能性がある。

 選挙については、9月30日に行われたスロバキアでの解散総選挙の前にMetaのプラットフォーム上にディープフェイクを含む偽情報が表示されていたという報告をEUが受け取ったとブルトン氏。

 ブルトン氏は書簡で、「御社のシステムが確実に有効であることを確認するよう緊急要請する」としており、24時間以内の返答を求めた。

 ザッカーバーグ氏はXの公式アカウントを持っているが、本稿執筆現在、X上ではブルトン氏にリプライしていない。ブルトン氏はMetaのThreadsには公式アカウントを持っていない。ザッカーバーグ氏はMetaの各種プラットフォームでも、この件についてはまだ発言していない。

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