今回のHHKB Studioだが、HHKBの世界展開を見据えた商品として構想から4年を経て実現したもの。企画はPFUの米国拠点であるPFU Americaが担当し、設計やデザインを変えながら何度も作り直したという。紆余曲折ありながら、デザインは「GoPro」や英Bowers & Wilkins(B&W)製スピーカーなどを手掛ける米Huge Designが担当することで落ち着いた。
Huge Designとは良好な関係を築くことができ、お互いにすり合わせながら徹底的にデザインを追い込めたという。ただし一貫して「Busyなデザインにはしたくない」というHugeならではの哲学があり、キャップをThinkPadみたく赤くしがちなポインティングデバイスも「そんなBusyなのはダメだ」と、キーボードと同じ色のキャップを採用することになった(当初はPFUのコーポレートカラーに合わせて青にする案もあったようだ)。
実は、現行のProfessional HYBRIDシリーズも米国ですでに販売されている。HHKBは日本のユーザーとともに育ってきたこともあり、コンパクトキーボードの走りとも言える存在だ。しかし、米国にProfessional HYBRIDを投入した4年前のタイミングではすでに他のコンパクトキーボードも多数存在しており、米国では「東プレスイッチを載せたキーボード」として認識されているのが実情だ。
Studioの開発に当たり、HHKBの提唱者でもある東京大学名誉教授の和田英一先生とも改めて「HHKBとは何か」を話し合い、「プログラマーが幸せになるものは、それはもう究極的には全部HHKBと仰っていただいた。使われる方が、自分が使いやすいようにキートップをカスタマイズしていただくというのはもうHHKB」と定義。コンパクト、プログラマーにとって効率的なキー配列、一生モノの道具を目指す「馬の鞍」哲学というコアを残しつつ、新しい要素を加えたHHKB Studioで、PFUは富士通時代から温めていたHHKBブランドの世界展開を本格化する。
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