芝浦工業大学は12月22日、学習などの際に集中力が落ちてくるタイミングで「川のせせらぎ」の音(River Sound)を流すと集中力を表す脳波が上昇することを確認したと発表した。情報工学科・菅谷 みどり教授らの研究チームが、三菱鉛筆(東京都品川区)、ストーリア(東京都中央区)と共同で実施した。
脳波を計測するヘッドバンドを装着した被験者に、PASATテストと呼ばれる情報処理能力の測定を実施した。前半2分間はそのままテストを行い、後半2分間は光(赤、青、緑のライト)や音(ホワイトノイズ、川のせせらぎの音、クラシック音楽)といった視聴覚刺激を与えた。
結果を比較したところ、川のせせらぎの音を流したテストで正答率が向上する傾向がみられた。またγ波についても、最も低かった赤いライトと比べると1%ほど高いという有意差があった。
研究チームは「学習時の集中力が切れるタイミングで、背景音として川のせせらぎの音を流すことで、集中力が維持、向上できる可能性がある」と分析。今後はサービスとしての展開を視野に入れ、規模を拡大して検証を進める。
論文は、IoTに関する技術を議論する国際会議、APRIS(Asia Pacific Conference on Robot IoT System Development and Platform)2023に採択された。
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