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遠近両用メガネなのに見え方は“普通” AIを使ってパーソナライズする累進レンズ「Varilux XR」を体験した分かりにくいけれど面白いモノたち(1/7 ページ)

» 2023年12月26日 12時15分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 フランスのバリラックスは、境目のない遠近両用レンズ、いわゆる「累進レンズ」(累進屈折力レンズ)を世界で最初に作ったレンズブランドだ。現在も、その分野ではトップクラスの技術力を持つブランドとして知られている。夏に日本でも発売された「Varilux XR」シリーズは、その最新モデルだ。

今回製作したのは、マルマンオプティカルの「Newyorker」というチタン製のフレームに、バリラックスの「Varilux XR pro」を入れたメガネ。いくらすごいレンズでも見た目は変らないのが、レンズのレビューの難しいところ

 筆者は、2017年4月に登場し、18年10月に日本でも発売された一つ前のフラッグシップ「Varilux X」シリーズを18年末から愛用していて、従来の遠近両用とは全く違う、度が切り替わる感覚がないシームレスな使い心地に感動したのだけど、それから6年して新たに発売されたXRシリーズは、Xシリーズとはまた違う、別種の体験になるという。

 今回、以前にXシリーズの取材でお世話になった、バリラックスの日本での販売元であるレンズメーカー、ニコン・エシロールから「実際に体験してほしい」という依頼を受け、「Varilux XR」シリーズのレンズを作って頂いた。そうして、実際に使ってみたところ、確かにこれは画期的だと思った(機材協力;ニコン・エシロール)。

今回、Varilux XRシリーズのレンズを使ったメガネを製作するために度数合わせ、各種検査、フレームなどを担当してくださったのは、目黒駅近くの伏見眼鏡店。とても詳細に説明していただいた

 実際にメガネの度数合わせやフィッティングを行っていただいた、目黒の伏見眼鏡店の伏見浩一社長によると「これまでの累進レンズとは全く別物だから、何か新しい呼称が必要なのではないかと思う。このすごさは、普段から累進レンズを愛用している人でないと分かりにくいかもしれないが、沢山の眼鏡着用者に伝えなければならないものだと思います」という言葉通りのインパクトのあるレンズなのだ。「メーカーも、このすごさを本当のところでは分かっていないようでもどかしいんです」と伏見氏は笑う。

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