近年最も大きく、家電の生産や販売方法にメスを入れているのがパナソニックだ。生活家電・デバイスの開発・製造や関連サービスを営むくらしアプライアンス社は、前述の指定価格制度の導入だけでなく、中国で生産していた普及モデルの掃除機を、20年モデルから国内生産に切り替えた。また同じく20年には、国内で生産していたドラム式洗濯機の組み立てラインを増設し、国内での生産体制の増強を進めている。
しかしこれら国内での生産体制の増強は、円安推移への対応ではなく、それ以前から計画的に始まっていた。先手を打っていたというわけだ。
パナソニックが7月末に発表した23年度第1期四半期決算では、生活家電などのくらし事業の調整後最終営業利益が増益となっている。この要因として「価格施策と合理化等の進捗」が記されており、指定価格制度の導入が利益に大きく効いているようだ。
しかし23年10月末発表の第2四半期決算では、国内の家電販売に関しては市況の悪化や販売減をコスト合理化でカバーしているものの、海外市場が想定より悪化したことから、同部門の営業利益は下方修正している状況だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR