最近、欧州や北米でハイブリッド車(HEV)の人気が再燃しているという報道が増えている。トヨタ自動車が2月5日に発表した決算は、それを裏付ける結果になった。
2024年3月期第3四半期決算(2023年4-12月)の営業利益は、4兆2400億円と前年同期より2兆1400億円のプラス。コロナ禍以降の資材高騰といった悪条件もありながら絶好調だった。そしてHEVの販売台数は、前年同期に比べ37.9%も増えた。
カーボンニュートラルの本命と目されたBEV(バッテリー電気自動車)に力を入れるメーカーが多い中、HEVやPHEVにも注力するトヨタはここ数年、「いつまでハイブリッドを作り続けるんだ」などといわれることが多かった。
しかし、この9カ月間のトヨタ/レクサスが世界で販売した790万8000台(2023年4-12月の9カ月間)のうち、HEVは264万6000台を占めている。構成比は33%と、前年同期の27%から5ポイントアップ。対してBEVは、8万7000台だった。
トヨタの宮崎洋一副社長は、「北米、欧州、中国を含む全ての地域でHEVの比率が上がった。まだ“現実解”としてハイブリッドが受け入れられている」と記者団に語った。前年に比べ、HEVは100万台程度の需要増を見込んでいる。
ただし、「HEVだけではビジネスはできない」とし、BEVやFCEV(燃料電池車)を含む“フルラインアップ”を用意する方針に変化はないと強調。「どの(タイプに)実需が来ても応えられる構えで臨む」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR