鳥山明さん死去を悲しみ、アラサーアラフォーの人々が当時の思い出を語りだした。盛り上がったのが今の中国では時代遅れ感のある百度内の掲示板サービス「貼ba(baは口へんに巴)」のドラゴンボールスレだ。例えるなら2ちゃんねるやmixiのドラゴンボールスレでインターネット同窓会が行われるようなものだろうか。そしてそこでは当時氾濫していた海賊版の話が飛び交っていた。例えばこんなコメントだ。
アラサー、アラフォーはインターネットを利用せず鳥山明ワールドに興奮した。
1990年代から2000年代前半にかけて、人々は貸本屋で海賊版の漫画を借り、友達と一緒に読みふけって冒険活劇に興奮した。正規版を売っている店は街にほぼなく、その辺で印刷品質の悪い海賊版を買うしかなかった。そういうものだと思って買っていた。テレビでドラゴンボールのアニメは流れていたけれど、声優は日本版と雰囲気が全く異なるもので(後で修正される)しかも途中で突然の打ち切りとなった。DVDの一世代前のVCD(ビデオCD)でも海賊版の劇場版ドラゴンボールが売られていて家のテレビで再生した。
ブロードバンド普及前の中国で筆者もぎりぎり在住経験があり、海賊版に依存していた様子について筆者の当時のITmediaの連載で以下のように紹介している。
「いくらホンモノより安くても、できることなら違法コピーされた「本」は買いたくない、というのが中国人の本音だそうだ。これはコピーされた本だと落丁乱丁が多いのに値段がホンモノの半額程度だから、ということらしい
「蔓延する海賊版CDは100円前後で買えるが、それでも城中村の人にとっては高い買い物。そこでレンタルビデオ屋がある。こちらは1枚数泊で1元(15円)からとさらに安い。TVのない人のために個人用TVを開放している。ナイトパックもあり
鳥山明さんの悲報から、中国の古きインターネットサイトで当時の少年少女が集まり、何もかもいい加減だったころの中国の思い出を語り合い、思い出を共有していた。当時現役でドラゴンボールの話を見ていた中国人はこんな原体験をしていたのだ。
スラムダンク大ヒット “海賊版天国”だった中国が「本物」を買うようになったワケ
マンガやアニメの海賊版被害は約2兆円、コロナ禍で5倍に CODA推計Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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