ゴールデンウィーク前半の先週の1位には、スクウェア・エニックス・ホールディングス(スクエニHD)が、2024年3月期に「コンテンツ廃棄損」として約221億円の特別損失を計上すると発表した記事が入った。
元スクウェア・エニックス社長・和田洋一氏が、かつて企業会計について語ったnote(22年1月付)によると、ゲーム開発費は「コンテンツ制作勘定」という資産科目に3年間累積して資産計上されるという。スクエニHDは今回、進めていたゲームの開発を中止するため、これまでに掛かった制作費などをコンテンツ廃棄損として計上する。
どのゲームの開発が中止されたかは未発表だが、21年5月の発表以降、あまり情報が出てこない「ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎」(ドラクエ12)を心配する向きが強い(解説記事)。5月27日の「ドラゴンクエストの日」に何らかの発表があるのではないか、と予想する声もある。
3位と5位は、クラウドメモツール「Evernote」に関する記事。Evernoteは、テキストや動画、画像などをまとめて保存・横断検索できる米国発のツールだ。
現役のサービスだが、2010年代にブームになった後、徐々にユーザー規模が縮小してきたこともあり「懐かしい」と感じる人も多いかもしれない。運営元は15年ごろにIPOを目指していたが実現せず、その後はライバルとの競争などで失速、23年にイタリアのIT企業Bending Spoonsに買収された。
その後、無料プランの仕様を大幅に制限。最大10万だったノートの上限数を最大50に減らした。さらに有料プランも6割以上値上げしたことで、ユーザー離脱がいっそう進んだ。ここ数年で、メモツールのデファクトスタンダードは「Notion」に移っている印象もある。
だがEvernoteは今も進化を続けているという。アクセス5位のいしたにまさきさんの記事によると、Bending Spoons買収後に機能強化のスピードが上がり、AI機能などが追加されているそうだ。
この記事への反響は大きかった。元ユーザーからは「従来の機能を、低料金のまま使いたかった」という声が出ている一方で、現役ユーザーは「検索機能が最強」「ScanSnap(スキャナー)との連携が便利」「スマホアプリが使いやすい」などと評価していた。
Evernoteがメモツールとして最も強かった時代は、多くのユーザーから少額を徴収するビジネスモデルで成立していたのかもしれない。だが、競争が激化してユーザー拡大路線を維持するのが難しくなった今は、高単価でも使い続けてくれるヘビーユーザーに向け、新機能を投入を加速しているようだ。
古参のユーザーには、Evernoteにあらゆる記録を集約している人も多いだろう。どんなサービスでもそうだが、特にEvernoteのような、過去を記録するサービスには、できるだけ長く続いてほしいと思う。
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