確かに、その写真には「LUMIX S9で撮影しました」とは一言も書いてないし、各ページの末尾には他の注釈と一緒に「画像・イラストは、効果を説明するためのイメージです」と書かれていたが、それは免責にはならんだろ、と思う。
なぜそういうことになったのか、わたしは関係者ではないのでまったく分からないが、少なくとも、Webページを作る時点でLUMIX S9の試作機はあったはず。その気になってフォトグラファーに依頼すれば、その機能・性能を表現してくれる写真を用意してくれたと思う。どういう理由があったのか、それをしなかったわけである。なんともったいない。
今まで気づかれなかったのは、そういうのに気づくほど写真を撮り慣れてる人は「走ってくる犬にちゃんとピントが合ってる写真」があっても「画像はイメージです」くらいの感じでスルーしてたからかなと思ったりしてる。少なくとも私はそうでした。
ちなみに5月30日現在、「走ってくる犬にちゃんとピントが合ってる写真」など真っ先に指摘された写真は取り下げられたり、別の写真に差し替えられたりし、多くの写真に「この写真はLUMIX S9で撮影したものではありません」「写真はLUMIX S1で撮影したものです」などの注釈が入っている。
他の製品ページにも作例と間違えそうな位置にストックフォトが使われていたとおぼしき個所があったことから、現在、全ページでチェックや修正が行われている状況かと思う。
なので、いちいち具体的に取り上げたりはしないけど、なるべく早く、全体を見直し、作例と思われそうな位置のストックフォトはそのカメラ・レンズで撮った作例に差し替え、見た人にきちんと伝わるよう簡単な撮影データも併記し、信用できるサイトにしてもらいたいと思う。
当たり前だけど、カメラやレンズに興味をWebサイトを見る人はそれに興味を持っている人で、どんな機能があり、どんな人に向いていて、どんな写真を撮れるのかを見たいわけで、多くの人は解説文より、そこについている写真でそのカメラについてのイメージを作っていくし、そのカメラやレンズを買えばそういう写真を撮れるのだな、あるいはそういう写真を撮るための機能なのだなと思うし、そう思わせる必要があるのだから。
LUMIX S9のみならず、最近のLUMIXシリーズは魅力的だし(特に写りの安定感がいい)、レンズも魅力的な小型軽量シリーズがいい感じなので、ぜひそれが伝わるようなサイトになってほしいと思っております。
余談だけど、こういうサイトの作例って難しい。
写真家が力を発揮しちゃうと「確かにそのカメラとレンズで撮ったのだろうけど、それを買ったユーザーが普通に撮れるかというと、まず無理じゃね?」っていう高度な写真になっちゃうし、かといって凡庸な作例だと「これが撮れるなら欲しい」って感じにならないし。そのカメラやレンズの特徴を生かしつつ、ほどよく魅力的なものじゃないといけないから。
その製品の特徴を見せる作例のページと、それを使った写真家による作品のページを分けて見せるのがいいんだろうね。
ちなみにカメラをレビューする側としても、写真としての面白さより、「作例」としてその製品の性能や特徴が分かるようなものを載せるよう心がけております。そこのところ、よしなに。
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