「生成AIは私たちの未来ではない」――iPad用イラスト制作アプリ「Procreate」を手掛ける豪Savage Interactiveが、生成AIに対するメッセージを公表。同社のジェームズ・クーダCEOは、公式アカウントが投稿した動画の中で「Procreateの製品に生成AIを取り入れません」と明言した。
クーダ氏は「皆様に生成AIについてよく聞かれます」とし、「個人的に生成AIは本当に不愉快です。いまこの業界で起きていることも、アーティストに与えているさまざまな痛みも納得いかないです」と、生成AIに反対の立場を表明。「この物語がどこへ向かうのか、どのように終わるのかは正確には分かりませんが、人間の創造性をサポートする正しい道へと進んでいると思います」と述べた。
投稿は本国と日本語の公式アカウントで投稿されており、Xユーザーからは「開発者のスタンスをはっきり表明してくれるのはユーザーにとってありがたい」「絵を描いている人たちの心の支えになる」といった声が上がっている。
イラスト制作ツールと生成AIを巡っては、セルシスが2022年11月に「Stable Diffusion」を活用した作画補助機能を試験導入すると発表したものの、批判を受けて撤回。24年にも「画像生成AIを搭載するのでは」という憶測に対し「搭載を見送る方針に変更はない」と公式に否定、クリーンなデータセットでしかAI機能開発は続けないとしている。また「ibisPaint」を手掛けるアイビスは、画像生成AIによる追加学習を防ぐ「AI学習妨害機能」を24年5月に発表している。
ワコムの広告にAIイラスト? クリエイターから反発の声殺到 同社が経緯を説明する事態に
クリスタに画像生成AIを搭載する予定ない──提供元セルシスが発表 「データセットがクリーンなものしか使わない」
お絵描きアプリ「アイビスペイント」にAI学習妨害機能 ユーザーからは「顧客が望んでいたもの」などの声も
物議を醸した「顔写真から自閉症を判別するアプリ」 医療分野でのAI活用に求められる倫理観を考える
「いらすとや」風画像を無限に生成 「AIいらすとや」商用利用可に 有料サービス化Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR