そもそもXDCAMとは、Blu-ray Disc開発で得られた知見をベースにソニーが独自に開発した「プロフェッショナルディスク」に、MPEG-2 Long GOPで記録するカメラだ。初号機は2003年に登場している。
最初はSD(Standard Definition)であったが、06年にはHDモデルが登場している。もともとは報道やドキュメンタリーといった屋外ロケ用の新フォーマットとして開発された、いわゆるショルダー型のカメラであり、初号機のデモ映像は、真夏の西表島および石垣島で撮影された。また04年のNABでは、冷蔵庫にカメラを入れても動作するというデモを行った。こうした過酷な環境でも動作するというのがウリであった。
XDCAMがディスクではなくメモリに記録するようになったのは、08年の「PMW-EX1」によって、「XDCAM EX」がシリーズとして立ちあがってからのことだ。今につながるメモリ記録ハンディ業務用機の原点が、ここにある。
その後、メモリ記録型が主力になるにつれ、EXが取れてただのXDCAMと呼ばれるようになっていった。一方ディスクのほうは、映像アーカイブ用・ライブラリ用として発展していった。
一方NXCAMの登場は、10年の「HXR-NX5J」が最初である。06年にコンシューマーカメラ向けHD記録フォーマットとして開発されたAVCHDを使って、廉価な業務用カメラができないかという要望に応えた製品だった。同時にコンシューマーモデルとして、「HDR-AX2000」も発売された。
AVCHDはもともとSDしか撮れないDVDディスクに、高圧縮技術H.264を使ってHDを書き込むために開発されたものだ。ただ最初からディスクのみにこだわらず、HDDやメモリカードといったメディアにも対応することが織り込み済みであった。
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