先週のアクセスランキング1位は、iOS 18に新たに追加された「なぞり入力」機能の紹介記事だった。QWERTYキーボードで入力する際に、キーを1つ1つタップするのではなく、画面をスイスイ“なぞる”ことで文字を入力できる機能だ。
試してみたら、指を離さずに入力できるのが爽快だったが、慣れるまで時間がかかりそう。筆者は普段フリック入力なのであまり出番はなさそうだ。QWERTY入力の人には便利かもしれない。
先週は、iOSのもう一つの新機能「気をそらす項目を非表示」の解説記事も注目を浴びた。
指定したコンテンツを削除できるSafari専用の機能で、「広告をぶっ壊す機能」「Apple公式の広告ブロッカー」「ネット広告市場を変えてしまう」などと話題になっていた。
ITmedia NEWSにとって広告はビジネスのキモ。広告を非表示にされてしまうと、筆者の原稿料も出なくなってしまう。
自分の食い扶持が失われるのだろうか……恐る恐る試してみて拍子抜けした。使いにくいのだ。
URLバー左側にある四角いアイコンをタップし、「気をそらす項目を非表示」という項目を選ぶ。
すると、表示されたWebページから、好きなエリアを選べるようになる。消したいエリアをタップすると、砂嵐のようなアニメーションとともにそのエリアがスッとが消える。
広告を消すこともできるが、記事内のテキストや画像、表など、コンテンツ自身も消せてしまう。これは広告ブロッカーではなく“広告を含む全コンテンツ消し放題”機能なのだ。
ページを遷移すると、また全てのコンテンツが表示されるので、広告を消したければまたメニューを選び、そのエリアを指定する必要がある。
広告だけを自動で選んで消されてしまう広告ブロッカーは、ITmedia NEWSのようなコンテンツビジネスに致命傷だ。
だが「気をそらす項目を非表示」は現状、ページごとに消すコンテンツを選ぶ必要があり、手間がかかる。誤タップすると、読みたいコンテンツも消えてしまう。今のところこの機能は「コンテンツが砂嵐とともに消える面白機能」にとどまってくれているので、広告が命綱のWebライターとしてはホッとした。
だからといってWeb広告は安泰、というわけでないだろう。ユーザーにとって邪魔な広告が増えていけば、広告ブロッカーを望む人も増えるし、そもそもコンテンツを見なくなる人が増えてしまう。この機能は、Appleからの、Webコンテンツ業界への警鐘なのかもしれない。
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