25年以降、日本語でも使える予定の「Apple Intelligence」に欠かせないのがAI処理に特化した「Neural Engine」だ。この性能を計測できるGeekbench AIによると、M4はM1 Proと比べて「Single Precision」(単精度)において130%、「Half Precision」(半精度)において224%となっており、「Quantized」(量子化)に至っては316%、つまり3倍以上の性能向上を果たしているのだ。
おそらく、M1 Proの時にはまだ具体化していなかったApple Intelligenceが、M4開発の時には話が進み、Neural Engineの開発にリソースが割かれたのだとは思うが、これだけ性能が向上すると、Apple Intelligenceの利用がかなり快適になると考えられる。ここの性能が足りないと、Apple Intelligenceがバックグラウンドで動いている時などもパフォーマンスに影響する可能性がある。M4はそういう場面でも快適に使えそうだ。
MacBook Pro M4はあらゆる面で、MacBook Pro M1 Proを上回っており、リプレースとして購入しても後悔のない製品だ。使い始める時にTouch IDの認証をするだけで感じる処理の速さがある上、それだけではない、実際に触ってみるとわずかだが重量も軽く(スペック上50g軽い)なっている。
さらに、iPad Proでも使われているほどのM4の省電力性能と、MacBook Proのサイズを生かした巨大バッテリーのおかげで、バッテリー持続時間は24時間(ビデオストリーミング)である。若干劣化してしまった筆者のMacBook Pro M1 Proとは大きな差がある。
ここのところの円安で、M3 ProやM4 Proモデルはかなり高くなってしまっているが、このMacBook Pro M4は16GBメモリ、512GBストレージで24万8800円と、クラスダウンすることで価格を抑えられる。
特に、Apple Intelligence向けに、価格そのままで最小メモリ容量が8GBから16GBに増量していることもあり、最安モデルでもスペックは十分だ。
また、2万2000円プラスすることで、Nano-textureガラスのモデルも選択できる。ちょうど試用機がこれを搭載していたのだが、ガラス表面に微細な加工を施すことで、写り込みを大幅に抑制できるようになっている。(例えば、背後に窓や電灯があるなど)利用シーンよっては2万2000円の価値のある仕様だ。
一方で、MacBook AirのM4モデルを待てばいのではないかという議論はあると思う。Airの方が軽く、そして安いからだ。
しかし今回、新型MacBook Proと併せて、最低メモリを16GBにアップしたM3モデルが出たということは、すぐにM4モデルが出る可能性は低いと考えられる。Appleの商品サイクルからすると、12〜2月に出るとはちょっと考えにくい。となると3月か6月あたりだろうか。ある程度引っ張るとなると、今度はM5チップの姿も見えてくる。もしいま必要なのであれば、M4のMacBook Proを買った方が良いのでは、と筆者は考える。
再び円安傾向が強くなってきている中、「Proが欲しいけどだいぶ高くなった」という声もあるだろう。手頃かつ十分に性能アップしたM4 MacBook Proは、幅広いモデルからの乗り換えにおすすめできる製品だ。
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