コクヨの「大人のやる気ペン」は、仕事をしながらも勉強や趣味を持続するモチベーションをどうすれば保てるか、といったところをコクヨなりに考えて作られた製品だ。大人の勉強法的なノウハウは、本などの形で今までも様々に商品化されてはいるけれど、具体的な道具として開発されて、しかもコンセプトがとても明確な製品はかなり珍しいと思う。
コクヨ「大人のやる気ペン」(9900円)。こんな風にペンに本体を装着して使うと加速度センサーとスマホアプリで努力を可視化する。本体を装着して電源を入れるという作業が、一種のルーティーンになれば、勉強へのスイッチを自分に入れるための動作として作用するわけだポイントは、試験や趣味のための勉強を“書く”という行為と結びつけたこと。書くことだけが勉強ではないのだけど、そこは文具メーカーとして、ロングセラーにしてベストセラーの「キャンパスノート」のメーカーとして、長く“書く”ことを生活と結びつけてきた矜持(きょうじ)とノウハウがある。単純に“書いている時間”だけを勉強と捉えているわけではなかった。
製品開発を担当したコクヨのやる気ペングループリーダー、中井信彦さんは「実は、書いてる時間自体よりも、考えてる時間の方が大事なんだろうなと思っています。それは子ども向けの『しゅくだいやる気ペン』を作ってるときからずっとそうなんですよ。だから、説明書などでも『書いてる時間』という表現はしていなくて、『ペンを持ってる時間』といった書き方にしています。それを『やる気タイム』としてログを取り、子どもたちの学習への取り組みを可視化しているんです」と話す。
勉強などの書き物を始める前に、この製品を好きなペンに装着して、電源を入れれば準備完了。後は普段通り、勉強を始めるだけだ。この“普段通り”の作業で使えるのも、この製品の大きな特長だろう。
そして、前述したようにペンを持っているだけの状態も「勉強タイム」としてカウントされる。筆記距離や筆記時間を計るのではなく、学習時間全体を計るために“ペンを持っている状態”も含むというのは、この製品の発明だろう。
実際、大人の勉強(趣味も含む)では、ぼんやりと考えている時間というのも重要だったりするのだけど、ただぼーっとしているのと、考えている状態の境界を、ペンを持って机に向かっているというところに置いているのが、個人的な感覚としては、とても正しいと感じている。
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