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“睡眠リズムの乱れ”による経済損失、年間約1兆円――「ポケモンスリープ」が分析

» 2025年07月13日 10時30分 公開
[ITmedia]

 不規則な睡眠習慣による経済損失は、日本全体で年間約1兆円にのぼる――ポケモン(東京都港区)は7月11日、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)と共同で実施した調査の結果を発表した。睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ」の国内ユーザー約8万人のデータを分析した。

photo 筑波大学の柳沢正史教授(「ポケモンスリープ」監修者。出典:プレスリリース、以下同)

 調査では、入眠・起床時刻や中途覚醒の傾向に基づき、ユーザーを「健康的な睡眠」「長時間睡眠」「中途覚醒が多い」「寝付きが悪く中途覚醒も多い」および、平日と休日で睡眠リズムに差がある「ソーシャルジェットラグ」の5群に分類した。

photo 睡眠パターンに応じて5つのグループに分類。紫が「ソーシャルジェットラグ」群(出典:プレスリリース)

 このうち、ソーシャルジェットラグ群では、仕事中の集中力や効率の指標となるスコアが最も低く、年間13万6000円に相当する生産性の損失が生じていた。対象者の中でこの群に該当した人は16%おり、同様の割合が日本全体にも当てはまると仮定した場合、損失額は年間約1兆円に上るという。

photo ソーシャルジェットラグ群(紫)では、プレゼンティーズムスコア(仕事中の集中力や効率の指標となるスコア)で最も悪い傾向がみられた

 また、ソーシャルジェットラグ群は、日中の眠気や不眠の評価についても最も悪い結果となった。

photo 業務パフォーマンスの評価(ポケモン提供)

 筑波大学の柳沢正史教授(「ポケモンスリープ」監修者)は「睡眠の“量”や“質”だけでなく、“リズム”が極めて重要であることが改めて示された」と指摘。「休日に寝だめする場合も、前日は早めに寝て、入眠と起床の時間帯を大きくずらさないことが望ましい」とコメントしている。

 調査は、アプリで7日以上の睡眠記録がある国内ユーザー7万9048人を対象に実施。記録された210万回以上の睡眠データに加え、日中の眠気や不眠の訴え、仕事のパフォーマンスに関するアンケートを用いて分析した。損失額の試算には、令和5年の公的統計から平均年収(461万円)や給与所得者数(4494万人)などを用いている。

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