ではベンチマークの結果はどうだろう?
Geekbench 6でCPUとGPUのテストをしたが、全機種で昨年のフラッグシップモデルであるiPhone 16 Pro Maxを超えた。
ゲームでの実性能に近い部分を3DMark(テストはStell Nomad Light)でチェックしたが、こちらの場合、GPUコアが多いiPhone 17 Proシリーズの結果が突出している。iPhone Airの値が低いのは、GPUコアが1つ少ないことに加え、発熱を抑えるために性能も抑えられているのだろう。
iPhone AirはiPhone 17 Proと同様の「A19 Pro」を採用しているが、GPUコアは少なくメモリーも8GBまでだ。これは、発熱を抑えつつ性能面での余裕を持たせるための工夫と考えられる。
AI面での性能をGeekbench AIでチェックした結果は、さらに面白い。
同テストは、CPU・GPUに加え、AI特化コアである「Neural Engine」のテストができる。Neural Engineの結果は、旧モデルも含め劇的に変わったわけではない。
しかしGPUテストでは、iPhone 16 Pro Maxに比べ、新機種で顕著な効率アップが確認できている。これは、A19世代のSoCでは、GPUにAI効率処理用の機構が搭載されるようになったためだろう。
Apple Intelligenceの多くはNeural Engineで処理されるが、実際にはCPUやGPUで処理するものも多く、組み合わせで成り立っている。特に大規模な処理はGPUでの処理も多いと思われるのだが、その効率化には、GPU自体にも特別な機構を搭載する必要がある......と判断されたのだろう。その結果はベンチマークでもはっきりと見えた。
バッテリー動作時間も、簡易的なものだが計測してみた。
以下は、YouTubeアプリを使い、AppleがYouTubeに公開している発表会動画を3時間再生し続けた時のバッテリー消費量を示したものだ。バッテリーは100%充電済みの状態から、Wi-Fiで接続して通信を行った。ディスプレイ輝度はどれも「最高」にしている。
Appleの公表するスペックから予想できたことではあるが、一番結果が悪かったのはiPhone 16 Pro Max。次にiPhone Airであり、iPhone 17とiPhone 17 Proは同じくらい。iPhone 17 Pro Maxはさらにグッと長くなる。バッテリーを特に多く搭載しているためだろう。
バッテリー動作時間は、多くの人がスマホに感じる不満点だ。今回は全機種で課題を解決してきたことになる。
重要なことは、結局AI処理が増えると全体の負荷が増えていくということだ。
例えば、今回発表されたライブ翻訳はその最たるものだ。
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