こういう、パン屋をイメージした世界観の売り場も当初から伊藤さんが温めていたアイデア。写真のエイリアン・モチーフの「マフィン」(Sサイズ、2420円)は、硬めのフェルトで出来たカップ部分のリアルさがすごい©Disney思い付いたら、アイデアは数珠繋ぎに出てきたそうで、パンのぬいぐるみという発想の新しさに加えて、ぬいぐるみ売り場でパン屋のようにトングでぬいぐるみを取るといった世界観まで作れたら、ぬいぐるみを買うだけでない体験まで提供できるのでは、と思ったという。
実際に、今年のおもちゃショーのタカラトミーアーツのブースでは、ずらりと並んだ「Nuiパン」をトングで取ってトレイに置いて、レジに持っていくというオペレーションで購入できる展示を行っている。
「さすがに、普通の売り場ではこのような展開をするのは難しいですが、一部のお店では世界観を表現した売り場づくりを実践いただけています。メニュー風の黒板があったり、カゴにぬいぐるみを入れたりという風にしていただいたりして、実際にお客さんからも世界観が魅力的で売り場に立ち寄ってみたくなったというようなお話も聞いたりしていて、Nuiパンブランド全体の世界観まで作れたのも良かったなと思います。私が考えていた以上に色々実現して嬉しいです」と伊藤さん。
実際、Nuiパンは2024年の発売以来、ずっと売れ続けていて、現在までに第三弾まで登場。ラインアップもパンの種類だけで30種類と、かなりの数になっている(さらにサイズ違いや、ぬいぐるみのデザインを活用した雑貨類やガチャなどもある)。
例えば、ベイマックス・モチーフの「あんバターサンド」のSサイズは、バター部分にベイマックスのメモリカードの模様が刻印されている。あんバターの決め手であるエッジの立ったバターをメモリカードに見立てて、おいしそうな感じと物語の世界観を同時に表現しているのだ「これまで多数のパンを商品化しましたが、最初に考えたのが『ちぎりパン』なんです。一つのパンにキャラクターがいっぱい詰まっているようなちぎりパンは魅力的だなと最初に思いついて、その絵を描きました。シリーズとして広げるにあたっては、版権元さんといろんなパンに落とし込んでいってもかわいく仕上がるのではと話をして、様々なキャラクターとパンの組み合わせで第1弾のラインアップを作っていったという感じです」と伊藤さん。
版権元としても、初めての試みだし、やってみたいと乗ってもらって、話し合いながら一緒にデザインのイラストを作っていった。面白いのは「本物のパンとして作ることが出来る造形」をコンセプトにしていること。キャラクターのぬいぐるみではなく、ディズニーのキャラクターをモチーフにしたパンであり、だからパンに見えなければいけないし、パンのような質感、触感が重要になる。多分、今のぬいぐるみが、従来のぬいぐるみと大きく変わったのは、こういう考え方の部分なのだろう。
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