ドワンゴ、「ゆっくり茶番劇」問題に公式声明 「ジャンルとしての利用なら商標権侵害しない」
ドワンゴは「ゆっくり茶番劇」が文字商標登録された件について、「ゆっくり茶番劇」という文字列を動画のジャンル・カテゴリーの表示として使い、ニコニコ動画を投稿することは、商標権を侵害しないとする見解を発表した。
ドワンゴは5月20日、「ゆっくり茶番劇」が文字商標として登録された件について、「『ゆっくり茶番劇』という文字列を動画のジャンル・カテゴリーの表示として使い、ニコニコ動画に投稿することは商標権を侵害しない」とする見解を発表した。
同社は法律事務所との相談した上での見解と説明。「【ゆっくり茶番劇】<動画タイトル>」や「【ゆっくり劇場】<動画タイトル>」のような動画の投稿は商標権の侵害に当たらないとした上で、他にも以下の具体例は問題がないとしている。
- タグや説明文中、せりふでの「ゆっくり茶番劇」という文字列の利用
- ゆっくりキャラクターなどが登場する、各種の合成音声ソフトウェアを使った動画
- 東方Projectに関する動画
一方で、下記2つの例は、商標権者から商標権侵害と主張される可能性があるという。
- 「ゆっくり茶番劇 Part1」「ゆっくり茶番劇 Part2」など、「ゆっくり茶番劇」というタイトルの下に定期的に異なる内容の動画が投稿されている場合
- 「ゆっくり茶番劇」という文字列を、投稿者名やチャンネル名など動画の投稿元や提供元の表示として使用する場合
また、「ゆっくり」を含む365種の文字列について「ゆっくり茶番劇」の類似商標にあたるかどうかの検討を行ったところ、「ゆっくり茶番」と「ゆっくり茶番?」「ゆっくり茶番劇場」以外の文字列は全て、「ゆっくり茶番劇」とは非類似であるとの見解を示した。
同社は「そもそも『ゆっくり茶番劇』は動画のジャンルやカテゴリー、動画の内容を示す表示として広く一般に使用されている文字列であるという認識であり、特定の企業や個人が独占すべき文字列ではない」と主張。
「商標が登録された2022年2月時点においても、『ゆっくり茶番劇』という文字列は、動画のジャンル・カテゴリーの表示として利用されるケースが大半だったと認識している。その状況を鑑みるに、商標として登録され、特定の企業や個人が独占することが不適切な表示である」と考えを示した。
ただし、これらの見解はあくまでドワンゴのものであり、実際に訴訟や審理が行われた際にどのような法的判断が出るかを保証するものではないとしている。
同社はこの件について、5月23日午後3時から記者会見を開催予定。会見はニコニコ生放送でもライブ配信するという。
ゆっくりは、同人サークル「上海アリス幻樂団」が制作する作品群「東方Project」のキャラクターを頭だけにした二次創作キャラクターや、さらにそこから派生した類似のキャラクターを指す。それらの合勢音声を当てて行う会話動画は「ゆっくり実況」「ゆっくり劇場」「ゆっくり茶番劇」などと呼ばれ、さまざまな投稿者がYouTubeやニコニコ動画に動画をアップロードしている。
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