アキバは近くに繁華街もあり、電車、幹線道路などの交通網が揃っているなど、都市生活をする上で十分な環境が整っているといえる。
しかし、一番効果的と思われるアキバPCパーツショップ店員でさえも、実際はアキバに住むことを敬遠する人が多く、諦めている人も多いのが実情だ。敬遠される理由を当たった結果、最後に「住宅事情」ということが残った。
具体的には「家賃が高い」「そもそも物件が少なく、理想の家が見つからない」という声が大多数を占める。
秋葉原近辺の住宅事情に詳しい不動産仲介業者「aparutoman」の久保田氏に話を聞いた。
久保田氏によると、まず「秋葉原に住宅物件が少ないというのは過去の話です」という。
そもそもは、2000年に決まった常磐新線「つくばエクスプレス」計画で、東京側の終点として秋葉原駅が選ばれたのが発端となる。東京駅以北の新たな玄関口として注目され、新築マンションの建設ラッシュが始まった。マンション群が竣工され、売りに出された2003年ごろからにわかに秋葉原の住宅物件が増えた。
「JR駅徒歩2〜5分程度のエリアには、鹿島建設によるTOKYO TIMES TOWERに代表される高層高級マンションが建設されましたが、その周囲には低価格の分譲マンションや賃貸物件もたくさん造られたのです」とのこと。
そこで、アキバ好き(PCパーツショップ店員なども含む)が多い20代から30代男性で、家賃予算が10万円以下いうとりあえずの条件を掲示し、おすすめの物件をいくつか紹介してもらった。
「上記の条件だと、まず家賃は約9万円が基本ラインですね。新築の場合は、残念ながらあまり低価格な物件は望みにくい傾向です。ただしやや築年数が経過しており、風呂・トイレは別々で洗濯機置き場もある物件であれば、7万円台からあります。狙い目のエリアはJR総武線沿線、秋葉原から1駅の浅草橋駅あたりです。」
これは2004年12月より入居が開始されたばかりの新築物件だ。鉄骨鉄筋コンクリート造12階建てで、面積は22.44平方メートル。神田川沿いにあるため日当たりは良好で、オートロックはもちろん、100MbpsのLAN設備も標準で備わる。「これだけの設備が揃って9万円以下はとにかくお得です。CATVも完備されています」とのこと
同等の物件をJR山手線沿線で探すと、渋谷駅周辺では10万円前後、新宿駅周辺は9万円前後、池袋駅周辺で8万円前後がラインになる。新築ということと交通の便を考えれば、妥当な価格帯であるという。
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