第3回 「DOOM 3」「FarCry」を高解像度フルオプションで快適に動かす:Athlon64で構築する最強ゲームPC(1/3 ページ)

» 2005年01月13日 00時00分 公開
[ITmedia]

 まだ、VGAカードに求められる処理能力が、3D描画能力ではなく2D描画能力だった時代の話。そんな時代に3Dゲームにはまった一部のユーザーは、PCの3D描画能力向上をVGAカードとは独立した専用拡張カードに求めた。

 さらに「より綺麗な画像をより速く描画すること」を求めるユーザーは、この専用拡張カードを2枚差しにして、より高い3D描画能力を手に入れることを選んだ。この専用カードの名を3dfxの「Voodoo」、そして2枚差しのシステムを「SLIシステム」という。

 その後、業界の3D描画技術競争激化に伴い3dfxはNVIDIAに吸収され、SLIシステムは世の中から消えたと思われていた。しかし、そんなSLIシステムは、NVIDIAが提供する次世代グラフィックチップ「GeForce 6xxx」シリーズでついに復活した。

 今回の原稿ではこの新SLIシステムとその対応フラットフォームであるAthlon 64が、日に日に重くなっていくPCゲームにたいしてどれだけの効果を発揮できるか見ていきたいと思う。今回用意したタイトルは以下の2本だ。

プログラマブルシェーダのデモンストレーションゲームでもある「FarCry」

 Farcryは「壮絶な前歴を持つ主人公が、戦い疲れて隠遁しているにもかかわらず、悪人の野望に巻き込まれて否応なしに戦わされる」という、スティーブン・セガールやブルース・ウィリスのはまり役「巻き込まれ型のキャラクター」系アクションシューティングだ。

 主人公である「ジャック・カーヴァー」は、南の島で遺伝子工学の研究を行っているクリーガー博士の陰謀に巻き込まれ、傭兵や遺伝子工学によって生み出された生物兵器たちとドンパチを繰り広げることになる。

 本作はDirectX 9シリーズでやっと実用段階に入ったプログラマブルシェーダをふんだんに盛り込んだゲームエンジン「Cryエンジン」で作られたタイトルとして有名だ。3Dグラフィックスにおける「光源」「影」の処理を受け持つプログラムを「シェーダ」と呼ぶが、プログラマブルシェーダでは制作者がゲームに合わせてプログラミングできる。これを使うことでPCゲームは、プレーヤーに「現実感」を感じさせるのにもっとも効果的な「画面描画の質」を、劇的に向上できるのだ。

 たとえば「Farcry」においてプログラマブルシェーダが効果的に使われているのは「海面の表現」だろう。画面を見てもらうと分かりやすいが、画面奥に島、手前に海があるようなシチュエーションを、海側から見たときの海面描写がプログラマブルシェーダの例として適当だろう。

フレネル効果を適用した海面のわかりやすい例。画面奥の海面には島の影が映り、手前の海面は透過して海中を泳ぐ魚の影や海底が見える

 FarCry以前のゲームにおける海面は水上の景色が映り込むか、まったく映り込まない透明な水面になるかのどちらかであった。しかし、プログラマブルシェーダを最大限に使った本作では、現実と同じように視点に近い手前側の海面は海の底や泳ぐ魚が見えるほど透明度が高く、視点から離れるほど海面の反射率が高くなって島の姿が海面に反射する。これは、水面を構成するポリゴンやテクスチャーに対して、「フレネル効果」と呼ばれる反射設定をプログラミングすることで再現可能になった事象だ。

 このプログラマブルシェーダ以外にも、ゲーム内で生成される影の投射原則を極力現実に近づける3種類の影生成技法や、距離に応じてオブジェクトのポリゴンを動的に変化させることで処理を軽くする動的LoD技術など、Cryエンジンに実装されているCG描画技術は多彩である。

 さらに、オブジェクトの強度や重量まで考慮した物理演算を行うオリジナルの物理エンジンや登場キャラクター同士の相互コミュニケーションをシーンにあわせて演出するAIシステムなど、CryエンジンにはFPSの新領域を感じさせる機能が多く搭載されている。

敵AIは分隊指揮官によって統率が取れていると実に手強い敵になる。誰が命令を出すAIなのかをよく見極めたいところだ

 とくにAIシステムはよくできており、敵の傭兵部隊に指揮官がいる場合といない場合とでその傾向が顕著になる。たとえば敵に指揮官がいる場合、正面に位置した傭兵が銃を乱射して遮蔽物に隠れたプレーヤーを足止めし、それ以外の傭兵はプレーヤーを大きく取り囲んでジワジワ距離を詰める、といったような指揮官の命令に従った連携を取った戦術行動を行う。おかげでプレーヤーは遮蔽物から移動することもかなわず、迫り来る敵に対して苦戦を強いられることになる。

 ところが、先に指揮官をスナイパーライフルなどでしとめておくと、傭兵AIは各個に反撃をするだけで組織だった攻撃をしてこない。プレーヤーにとっては攻略が楽になるわけで、このAIシステムはプレーヤーに「敵の情報収集をして、もっとも楽に敵を倒せる順番を考える」という奥深さを与えてくれるわけだ。

 当然、Cryエンジン搭載第1弾タイトルであるFarCryには、これらの機能を世のゲームユーザーにデモンストレーションするという意味合いも含んでいるため、これらの機能をフルに使ってゲームが作られている。その分快適に遊ぶには最新のプログラマブルシェーダに対応し、高い処理能力を必要とするグラフィックスカードが必要となってくるわけだ。

ジョン・カーマックの手になる最新エンジンを使った「DOOM 3」

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