デザインかカラバリか、Windows 7かXPか……HPの新型Netbook「Mini 110」で悩む:直販か、量販モデルか(3/3 ページ)
日本HPの「HP Mini 110」シリーズは、直販向けと量販店向けで多彩なラインアップをそろえている。お得なモデルはどれなのかを考えてみた。
Netbookとしてパフォーマンスは標準的
最後にWindows XP Home Edition(SP3)を採用したStudio Tord Boontjeでベンチマークテストを行なった。CPUはAtom N280(1.66GHz)、メモリは1Gバイト(DDR2)、HDDは160Gバイト、1366×768ドット表示の液晶ディスプレイを搭載した量販店モデルで、実売4万9800円前後と現行のMini 110シリーズで最も安価な1台だ。比較には、前モデル(秋モデル)の32GバイトSSDモデル(CPUやメモリは本機と共通で、画面解像度は1024×576ドット)を利用した。
Netbookだけに、ベンチマークテストのスコアは推して知るべしといったところだ。SSDモデルに比べてスコアは悪くなっているが、容量は約5倍に増えており、以前のMini 1000シリーズが1.8インチHDDを採用していたことを考えると、2.5インチHDDになった本機のパフォーマンスは確実によくなっている。
前述のように、バッテリーは標準で3セル、オプションの大容量で6セルのバッテリーが用意されている。駆動時間の公称値は、Windows XP搭載のStudio Tord Boontjeのみ約3.5時間(3セル)/約6.75時間(6セル)で、そのほかのWindows 7 Starterモデルが約3.75時間(3セル)/約8時間(6セル)と、秋モデルに比べ微増した。なお、バッテリーの仕様は前モデルと共通なのでこれまでのバッテリーは流用可能だ。
バッテリーの駆動時間は、海人氏作のBBench V1.01を使って検証した。設定条件は、液晶ディスプレイの輝度を最高に、電源設定をポータブル/ラップトップにし、Web巡回(60秒間隔)とキーストローク出力(10秒間隔)をオンにしたところ、3セルバッテリーは約146分で、6セルバッテリーは305分でバッテリー残量がゼロになった。大容量バッテリーの長時間駆動は魅力だが、6セルバッテリーを装着するとボディの形状が大きく変わり、カバンへの収納性が悪くなるのが悩ましい。
発熱に関しては、システムに高い負荷をかけると底面前方にあるメモリスロットを中心に43度を超え、左パームレストの一部でも40度を超える部分はあったが、キーボード面や右パームレストは35度前後、タッチパッドは37度前後で済んでいた(室温は24度)。また、3DMark06のデモを連続で行うと、左側面にある排気口からファンの風切り音がやや耳についた。ただ、アイドル時やメールのやりとり、Webブラウズ程度ならばファンの風切り音は気にならず、環境音に埋もれる程度だった。
今後の販路の拡大に期待
CULVノートPCが続々と発売されている中で、Netbookの立ち位置がやや揺らぎつつあるが、Studio Tord Boontjeのようなデザイナーズモデルの投入は、Netbookが単なる安いノートPCに陥らないためにも必要な措置だ。Imprint技術を採用したモデルが他社からも続々と登場している中で、新たにImprint 3Dで一歩先を行く試みを着実にこなしているのも評価できる。ボディデザインやカラーは好みに左右されるところだが、他人とはひと味異なるNetbook/低価格ミニノートPCを求めているユーザーにお勧めしたいモデルだ。その意味で、海外では姿を見せているVivienne Tam Editionの次期モデルの国内発売も期待したい。
冒頭で述べたように、直販モデルが精彩を欠いているのは物足りないところだが、それだけに量販店モデルはコストパフォーマンスが高い。ただ今回から、ケーズデンキと上新電機が販路に加わったとはいえ、ヨドバシカメラ、ビックカメラやソフマップの一部店舗のみに限られているのが現状だ。HPのシェアアップのためには、さらなる販路の拡大が欠かせない。同社製品の魅力をユーザーに伝える意味でも、店頭での積極的な施策を期待したいところだ。
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