HSDPA対応の「VAIO type T」と「FMV-BIBLO LOOX T」を検証する(後編):速度チェックは新幹線に乗って(1/2 ページ)

» 2007年12月17日 11時15分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 HSDPA通信モジュールを内蔵した「VAIO type T」と「FMV-BIBLO LOOX T70XNX」は、NTTドコモの定額データプラン対応しており、広いエリアで受信最大3.6Mbpsの高速なデータ通信が行えるモバイルノートPCだ。本記事では2回に分け、その実力を明らかにしていく。前編では定額データプランや各製品の概要について説明した。後編では、インターネット接続時の通信速度や利用時の制限事項を検証する。

HSDPA対応通信モジュールを内蔵した「VAIO type T」(写真=左)と「FMV-BIBLO LOOX T70XNX」(写真=中央)。いずれもバッテリーを外したところに、SIMスロットを内蔵している(写真=右、LOOX T70XNXの例)

各所でインターネット接続の通信速度をチェック

 まずはインターネット接続で気になる通信速度の検証だ。とりあえず、筆者の日常における行動範囲内で電波状態がおおむね良好な場所に2台を移動し、内蔵HSDPA通信モジュールのデータ送受信速度を計測した。ロケーションは、東京都大田区の住宅街、渋谷区の繁華街、大田区の西馬込駅構内(地下鉄駅構内)、品川区の五反田駅構内(地下鉄駅構内)、そして神奈川県川崎市の川崎アゼリア内(地下街)だ。

東京と川崎における受信速度のテスト結果(写真=左)と送信速度のテスト結果(写真=右)。計測は同一条件で3〜5回行い、大きくばらつきがなかった結果から最速の値を掲載している。計測した時間帯は、大田区の住宅街が日中、そのほかが夜間だ

 結果はグラフで示した通りで、公称値の最大約3.6Mbpsにはおよばないものの、受信は1Mbpsを余裕で超える場合が多く、VAIO type TとLOOX T70XNXで送受信の能力が大きく異なるという傾向も見られない。現時点ではイー・モバイルでほとんど利用できない地下鉄駅構内や地下街での通信速度も地上とそんしょくなく、使い勝手は良好だ。また、送信は安定しており、理論最大値の384kbpsに近い速度が出た。内蔵の通信モジュールだからといって、通信能力が劣るといったことはなさそうだ。

 唯一の例外は、通信速度がほかより下がった渋谷区の繁華街だ。原因の1つとしては、計測した時間が23時前後で、音声、データともにトラフィックが多い時間帯だったことが考えられる。また、2台とも同程度の速度だったことを考慮すると、トラフィックコントロールされていたのか、FOMAの利用者が多いと電波状態がよくても当然この程度までは受信速度が低下するということなのだろう。

 なお、グラフには含めていないが、渋谷区の繁華街で携帯電話の「N902iX HIGH-SPEED」を利用して同条件で計測したところ、受信速度は483.7kbpsにとどまった。このことからもVAIO type TとLOOX T70XNXに内蔵されたモジュールの通信能力は問題ないと判断できる。

高松、岡山、神戸、そして新幹線で速度を確認

 次にVAIO type TとLOOX T70XNXを持って関東を離れ、中国・四国地方へ向かった。2台の試用中に香川県高松市に出向く用事があったからだ。せっかくの機会なので、現地での移動中の通信速度も含めて検証を行った。計測したロケーションは、香川県高松市の高松駅前と坂出市の坂出駅ホーム、岡山県岡山市の岡山駅ホームと倉敷市の茶屋町駅ホーム、兵庫県神戸市の三宮駅前だ。

中国・四国地方における受信速度のテスト結果(写真=左)と送信速度のテスト結果(写真=右)。計測は基本的に同一条件で3〜5回行い、大きくばらつきがなかった結果から最速の値を掲載している。ただし、坂出駅および茶屋町駅は列車停車中に計測したため、テストは1回のみ。計測した時間帯は、高松駅前が午前、そのほかが夜間だ

 各駅や駅前における静止状態での計測では、茶屋町駅を除いて、HSDPAらしい通信速度を記録している。三宮駅前は計測時間が24時前後になってしまったこともあり、トラフィックの関係で通信速度が低下したようだ。茶屋町駅については、FOMAハイスピード対応予定エリアには含まれているが、計測時に未対応だったと予想される。

 さて、神戸からの帰路は山陽新幹線に乗ったので、高速移動中の車内でも通信速度を計測してみた。当然ながら2台同時に計測を行うと互いが干渉するし、高速移動中なので必ずしも同条件とはいえない。さらに山陽新幹線はトンネルが多いことも考慮し、トンネルがない姫路から西明石間と、そうでない西明石から新神戸間において、ある程度速度の出た状態で可能な限り交互に計測をしてみた。

山陽新幹線における受信速度のテスト結果(写真=左)と送信速度のテスト結果(写真=右)。計測した時間帯はいずれも夜間だ

 さすがに静止状態と比較すると通信速度は低下するが、メールを送受信したり、Webサイトをチェックするには必要十分な送受信速度が確保されている印象だ。移動中のアベレージでの通信速度はもっと遅くなるが、岡山から姫路間でWebアクセスに利用したぶんには実用的な速度があると感じた。

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