FOMA対応の通信モジュールを内蔵したモバイルノートPCが、ソニーと富士通から発売された。両社が得意とする小型軽量モバイルノートPCの利用シーンが広がる新機能を搭載したとあって、その存在が気になっている人も少なくないだろう。これらのノートPCはデータ通信の定額利用に対応し、モバイル環境でスマートに高速なインターネット接続を利用できることが最大の魅力だ(ソニーの発表記事はこちら、富士通の発表記事はこちら)。
今回ソニーと富士通が投入したのは、NTTドコモの「FOMAハイスピード」サービスと組み合わせて利用できるHSDPA対応通信モジュールを内蔵した計4機種のノートPC。NTTドコモではこれらのノートPCを「HIGH-SPEED対応PC」と呼称している。
両社の製品に内蔵された通信モジュールは異なるが、NTTドコモのFOMAネットワークに対応している点は共通だ。通信速度はHSDPA対応エリアで受信最大3.6Mbps、非対応エリアでもFOMAネットワークエリアであれば受信最大384kbpsのインターネット接続が行える。送信速度はいずれの場合も最大384kbpsとなる。
世間ではイー・モバイルが受信最大7.2MbpsのHSDPA通信サービスを12月12日に開始して話題となっているが、今回取り上げるHIGH-SPEED対応PCの場合、通信モジュールが別売の外付けタイプではなく、最初から内蔵されているのは、利便性を考えると大きな強みだ。また、FOMAということで日本全国で使えるというメリットがある。
HSDPA対応通信モジュールにはNTTドコモと契約したSIMカードを装着する必要があり、PC購入時にSIMカードは同梱されていない。PC購入後にオンラインでNTTドコモのサイトから申し込みを行い、後日配送されてきたSIMカードをユーザーが自ら装着し、PC上の専用ソフトで開通処理を行うことで、HSDPA通信サービスを利用できるようになる。
1 メーカー直販サイトで対応ノートPCを購入
2 購入したPCでNTTドコモの回線申し込みサイトへアクセス
3 NTTドコモの回線申し込み後、本人確認書類を郵送
4 NTTドコモが申し込み審査などの手続き後、FOMA対応SIMカードを発送
5 届いたSIMカードをノートPCに装着し、専用ソフトで開通処理を行う
利用料金はどのPCでも共通だ。受信最大3.6Mbpsの「定額データプランHIGH-SPEED」は、50万パケット(1パケット=128バイト/約61Mバイト)までが4200円/月、50万パケット以降は1パケットあたり0.0126円が加算され、100万パケット(約122Mバイト)以上で1万500円/月の定額となる。送受信速度がともに64kbpsに制限される「定額データプラン64K」はパケット数に関係なく、4200円/月の定額で利用できる。
どちらの定額データプランも別途ISPとの契約が求められるが、ユーザーが自由にISPが選べるわけではない。現時点では、定額データプランHIGH-SPEED契約時は840円/月の「mopera U U定額HIGH−SPEEDプラン」もしくは630円/月の「ビジネスmoperaインターネット(HIGH-SPEED)URL制限タイプ」に、定額データプラン64K契約時は500円/月の「mopera U U定額64Kプラン」もしくは315円/月の「ビジネスmoperaインターネット(64K)URL制限タイプ」に加入する必要がある。
1 HIGH-SPEED対応PC(ソニー/富士通の対応機種)
2 NTTドコモとのFOMAデータプラン契約(定額データプランHIGH-SPEED/64K)
3 HIGH-SPEED対応ISP契約(mopera Uの対応サービスプラン)
なお、これらのプランは基本契約扱いになっているので、音声端末とSIMカードを共用して音声通話やiモードを利用することはできない。既に音声端末でFOMAを利用している場合でも新たな契約が必要になる点には注意が必要だ(詳しくはこちらの記事を参照)。
こうして見ると、料金設定はまだまだ割高な印象を受けるが、実際の使い勝手のほうはどうだろうか。今回はソニーと富士通の両社から対応モデルを入手できたので、2回に分けてその実力を検証していきたい。
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