富士通は9月18日、NTTドコモの「FOMAハイスピード」サービスに対応する「FMV-BIBLO LOOX T」と「FMV-BIBLO LOOX U」のカスタムメイドモデルを報道陣に公開した。既報の通り、これらは同社直販サイトのWEB MARTにて10月22日より発売される。現状で店頭販売の予定はない。
FOMAハイスピード対応モデルとなる「FMV-BIBLO LOOX T70XNX」と「FMV-BIBLO LOOX U50XNX」は、いずれもバッテリーパックを外したところに小型通信カードの「FOMAカード」用スロットを装備。NTTドコモとの契約後に送付されるFOMAカードを同スロットに装着することで、FOMAハイスピードによる受信時最大3.6Mbpsのデータ通信が可能となる。FOMAハイスピードを利用するには、NTTドコモとの契約に加えて、対応プロバイダとの契約も必要だ。
これら2モデルの標準仕様は下表の通りで、FOMAカードスロットを搭載した一方、ワンセグチューナーが省かれている。使用時の重量やサービスへの具体的なサインイン手順など、詳細仕様については現時点で明らかにされていない。
FOMAハイスピード対応LOOX T/Uの主な仕様 | ||
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製品名 | FMV-BIBLO LOOX T70XNX | FMV-BIBLO LOOX U50XNX |
OS | Windows Vista Home Premium | |
CPU | Core 2 Duo U7600(1.2GHz) | A110(800MHz) |
メモリ | 1GB/2GB(選択可) | 1GB |
HDD | 約60GB/80GB/100GB(選択可) | 約40GB |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | コンボ/DVDスーパーマルチ/なし(選択可) |
液晶 | 10.6インチワイド | 5.6インチワイド |
無線 | IEEE802.11a/g/b | |
バッテリー | 内蔵バッテリパック/内蔵バッテリパックL(選択可) | |
Office 2007 | Officeなしスタンダードセット/Office Personal 2007セット(選択可) | |
そのほか | 増設用バッテリユニット/なし、天板カラー6種類(選択可) | ポートリプリケータ/なし(選択可) |
通常WEB価格 | 27万4800円〜 | 17万4800円〜 |
出荷予定 | 10月26日以降 | 11月下旬以降 |
富士通は新モデルの公開に先立ち、FMVシリーズにおける取り組みの一部を解説した。まずは同社パーソナルビジネス本部PC事業部長の長原明氏が登壇し、FMVシリーズのこだわりを紹介。FMVシリーズの製品コンセプトは「ユビキタス社会のさらなる実現に向けて、すべてのお客様に価値を認めていただくこと、すべてのお客様に使いやすい製品を提供すること」であり、具体的には「AV機能の充実、携帯性の追求、求めやすい価格帯の実現」などに注力しているという。また、開発から製造まで一貫した国内生産体制を確立しており、「メイドインジャパン」の製品であることをアピールした。
続いて、同社パーソナルビジネス本部ソリューション開発統括部長の磯部祐司氏が、無線WAN搭載PCの事業について説明した。富士通の無線WAN搭載PCの歴史は、7年前の2000年にFMV-BIBLO LOOXシリーズを初めて投入したときまでさかのぼる。当時の無線WANはPHSによる64kbpsのデータ通信で、富士通はDDIポケットと協力してH"IN搭載のFMV-BIBLO LOOXを提供していた。
それからしばらく動きがなかったが、2006年6月にはHSDPA方式による最大1.8Mbpsのデータ通信が可能なLIFEBOOK Qシリーズを欧州向けに発売し、同年7月にはアジアでも同様の製品を投入した。2007年9月現在、ワールドワイドで無線WAN対応のLIFELOOKシリーズは5機種あり、対応通信キャリアは14社、サービス提供地域は18カ国にのぼるという。
そして、日本ではNTTドコモのFOMAハイスピードに対応したモデルを9月13日に発表した。FOMAハイスピードでは、受信時に最大3.6Mbpsのデータ通信速度を実現する。磯部氏は「PHSの64kbpsと比較して約56倍の高速化を実現しており、以前は単にワイヤレスインターネットと呼んでいたが、これによりワイヤレスブロードバンド時代が到来する」と述べ、「屋内外の垣根を越えたブロードバンドインターネットが可能になるため、コンシューマー、ビジネスを問わず、PCの活用シーンが広がるだろう」と新製品に対する期待を語った。
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