PC USER Pro

2014年にグッと来た「デジタル仕事道具」ベスト5:PC USER Pro特別企画(1/2 ページ)

» 2014年12月19日 10時30分 公開
[山口真弘,ITmedia]

ビジネスシーンで重宝するパーソナルなデバイスを選ぶ

 IT関連デバイスの中には、完全に家庭用もしくは業務用として設計・製造された製品も多いが、この両者とはやや違ったところで、個人がビジネスの効率アップを図るために購入するような製品も存在する。例えば、職場でBYOD(Bring Your Own Device:私的デバイス業務利用)が認められている場合、仕事での活用も視野に入れ、個人のスマートフォンやタブレットを選んだという人は少なくないだろう。

 セキュリティ対策などの課題もあり、BYODが今後日本で定着していくかどうかは依然不透明なところもある。しかし、BYODを意識した製品、およびそれを前提とした売り方は、以前よりも目に見えて増えつつある状況だ。今回は主に2014年に登場した製品を中心として、筆者が触れた範囲でこうした「個人でも購入できて仕事がはかどる製品」のベスト5を紹介しよう。

 ちなみにBYODの「D」はデバイスのDなので、スマホやタブレットを指しており、厳密にはその他の機器が含まれないという見方もあるが、ここではもう少し視野を広げ、ビジネスの効率が上がると評価できるスマートデバイス以外の製品も区別せずに合わせて取り上げていく。

Google、8.9型Androidタブレット「Nexus 9」

 2014年も数多くのタブレットが市場をにぎわせた。そんな中でGoogleがリリースした8.9型タブレット「Nexus 9」は、まさしくビジネス用途にも個人用途にも向いていると、実際に使ってみて筆者が強く感じた製品の1つだ。

Googleの8.9型Androidタブレット「Nexus 9」(HTC製)。実売価格は16Gバイトモデルで4万3000円前後(税込)から

 ここで、なぜNexus 9を選んだのか不思議に思うかもしれない。確かにNexus 9は、最新のAndroid 5.0「Lollipop」をいち早く搭載したことで注目を集めたHTC製タブレットだが、それ以外は際立った特徴のない、やや地味な製品と言える。

 本体の薄さと軽さは初代「iPad Air」と同等であるものの、Nexus 9とほぼ同時期に登場した「iPad Air 2」の前にはかすんで見え、IEEE802.11ac高速無線LANへの対応も本邦初というわけではない。また、折りたたみ式のスタンドを備えた「YOGA Tablet」のような独創的なギミックもなく、他のタブレットと比べた際の強みを説明しにくい製品というのが、共通の見方といったところだろう。

 しかしながら、ベンチマークテストにおける高いスコアが示す通り、どんな作業でもそつなくこなせるポテンシャルの高さは、ビジネスユースでは大きな武器になる。実際のところ、Webやドキュメントの閲覧という一般的な用途はもちろん、電子書籍端末としての利用、動画の閲覧など、どれも当たり前のようにこなす優等生的な性能は、利用範囲をビジネスからプライベートに広げても、マルチに活躍できるはずだ。

 Androidタブレットとしては珍しく画面の比率が4:3(つまりはiPadファミリーと同じ)であることに加え、スピーカーが側面や背面ではなく前面を向いてレイアウトされている点など、スペック表からは読み取れない利点も多い。

 かつての初代「Nexus 7」で見られたような、他製品を圧倒するような価格破壊力もないことから、注目度は同時に発表されたファブレット「Nexus 6」に比べて低く、メディアでの露出もそれほど多くないが、実用性重視でタブレットを選べと言われた場合、現状で候補の最右翼に挙げられる製品と言ってよいかもしれない。一足遅れて発売になったLTEモデルも、外出が多いユーザーにはおすすめできる。

 一方でネックとなるのが、Nexus 9の本体が発売されてから1カ月を過ぎた現在もなお、純正キーボード付ケースが近日発売予定のままだったりと、アクセサリの足並みがそろっていないことだ。自社ブランドでアクセサリまで展開する以上、こうした部分はぜひ配慮してほしい。

ロジクール、マルチデバイスキーボード「K480」

 スマホやタブレットの入力効率を上げるために外付けキーボードを追加するのはいまや珍しいことではなく、特にオフィスでの利用においてはキーボードが欠かせないという人も多いことだろう。

 最近では複数のデバイスを切り替えて使うことを前提とした、いわゆる「マルチデバイスキーボード」も増えつつあるが、こうした一連の製品のうち、今年特に目を引いた新製品が、ロジクールの「Bluetooth Multi-Device Keyboard K480」だ。

ロジクールの「Bluetooth Multi-Device Keyboard K480」。実売価格は3000円台半ば

 K480が面白いのは、デバイスの切り替えを本体左上のロータリー式スイッチで実現していることだ。いわゆるKVM切替器などでは、Ctrlキーの2度押しをはじめとしたホットキーで切り替える製品も多いが、OS側のちょっとしたバージョンアップで動作しなくなったり、またデバイスとの相性でうまく切り替わらないことも少なくない。

 その点K480は、キーボード左上にあるロータリースイッチの1〜3を回すだけでBluetoothの接続先が確実に切り替わるので、誤動作もなく、文字入力中のストレスが最小限に抑えられる。ロータリースイッチであるということは、デバイス「1」から「3」に切り替わる間に「2」をいったん通過するわけで、それが誤動作などの要因になるのではないかと懸念していたのだが、実際に使ってみると問題なかった。

 スマホやタブレットの普及により、一人のユーザーが複数のデバイスを併用するシーンは今後増えることはあっても減ることはないだろう。しかしPC用のキーボードがすでにデスク上に置かれている状況で、2台目3台目のキーボードを置くのは無理がある。こうしたニーズに目をつけたK480は、Windows/iOS/Androidと多彩なプラットフォームをサポートし、とにかく1台のキーボードにまとめたいという人におすすめできる製品だ。

 個人的には重めのキータッチが、次期モデルではもう少し軽くなってくれることを要望しつつ、Microsoftが海外で発表した競合製品「Universal Mobile Keyboard」の動向にも注目していきたいと思う。

PFU、ドキュメントスキャナ「ScanSnap iX100」

 業務で日々発生する書類は、1枚もしくは2、3枚という、少ない枚数であることがほとんどではないだろうか。それゆえ、同時に数十枚、両面読み取りに対応した据え置き型のドキュメントスキャナよりも、片面1枚ずつを読み取れるスティックタイプのスキャナのほうが、設置スペースのコンパクトさも込みで、日々の業務では重宝する場合が多い。

 あくまで両方を所有していることが前提になるが、スティックタイプの製品では読み取りがわずらわしい、まとまった量の書類だけを、数週間ぶんまとめて据え置き型の大型スキャナでデータ化するというのが、筆者の最近のスタイルだ。

 今年PFUが新たに発売したスティックタイプのスキャナ「ScanSnap iX100」は、従来モデルにはなかった無線接続機能を搭載したほか、モードを切り替えることなく長尺物がスキャン可能になるなど、使い勝手を進化させた製品だ。

PFUの「ScanSnap iX100」。実売価格は2万円弱(税込)

 仕様を見ただけでは分からないが、実際に使ってみると動作音も控えめになり、またボタンは形状的にも硬さ的にも押しやすくなっている。他社の製品と異なり、無線接続でも速度がほとんど低下しないのは、ちょっとした驚きすら感じる。

 もっとも、無線接続ゆえバッテリー残量を気にしなくてはいけないiX100よりも、有線ながら給電の心配が不要な従来モデルのほうが、数枚以下のまとまった原稿を延々と(それこそ1時間以上かけて)スキャンするには、余計なことに気を使わなくて済むぶん安定しているというのもまた事実だ。

 現状のiX100はUSBケーブルで充電するスピードよりもスキャンで消費する電力のほうが大きいため、バッテリーが切れたらUSBケーブルで給電しながらスキャンを続行するという使い方ができないのがつらい。次期モデルではぜひそこを改善してほしいところだ。

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