117カ国で“簡単Wi-Fi接続”、便利な管理ツールも――海外進出企業を支援するiPassの新サービススマホとタブレットにも対応

» 2012年05月22日 14時17分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 世界117カ国140事業者のWi-Fiスポットに、面倒な接続操作をすることなく容易にアクセスできる――。こんなWi-Fiローミングサービスを提供する米iPassが、日本の企業向けに新たな接続サービス「iPass Open Mobile Platform」の提供を開始した。

 国内外でのネット接続のしやすさはそのままに、企業が必要とする管理機能やセキュリティ機能を用意。長引く不況で海外展開を検討する企業が増える中、現地でデータ通信を利用する際の利便性やコスト、安全性を考慮したサービスに仕上げたという。

 サービスの詳細や今後の展開について、米iPass ワールドワイドセールス担当上級副社長のクリストフ・クーリーン(Christophe Culine)氏、プロダクトマネジメント担当のクリス・チュリロ(Chris Churilo)氏、アイパス ジャパン カントリーマネージャーの赤羽善浩氏に聞いた。

Photo 左からアイパス ジャパンの赤羽氏、米iPass ワールドワイドセールス担当上級副社長のクリストフ・クーリーン氏、プロダクトマネジメント担当のクリス・チュリーロ氏

1つのツールで世界各国のWi-Fiスポットに簡単接続

―― iPassが提供する国際ローミングサービスの特徴を教えてください。

クリストフ・クーリーン氏(以下、クーリーン氏) iPassは、世界各国の公衆無線LANサービスの事業者や、3G/4Gネットワークを提供する通信キャリアと提携して国際ローミングサービスを提供する企業です。

 140以上のサービス事業者と提携しており、ホテルや空港から、カフェ、ファストフード、飛行機の中までをカバーする70万超のホットスポットを提供しています。2011年の初めには10万スポットしかなかったので、この1年でスポットの数が急増したことになります。昨今、世界的なトレンドとしてモバイル網のトラフィックをWi-Fiにオフロードする流れがあり、スポットの数が急増しているので、2012年末までには200万スポットを超えると予想しています。

 2011年には180万ユーザーにサービスを提供し、7200万のWi-Fiセッションを取り扱いました。企業顧客の数は2000社以上で、多くが大手グローバル企業です。

Photo iPassが提供する国際ローミングサービス。

 一番の強みは、私たちが独立系のサービスプロバイダとして接続プラットフォームを提供している点です。ユーザーの方々は、私たちが提携している世界各国のサービスプロバイダのネットワークを効率よく利用できるのです。

―― 今回、法人向けに提供を開始した「iPass Open Mobile Platform」とは、どんなサービスなのでしょうか。

クーリーン氏 国内外のWi-Fiスポットに簡単かつ安全に接続できるようにするとともに、企業の管理者が自社のセキュリティポリシーに沿った運用管理を行えるようにするサービスです。PCやMacだけでなく、ビジネスでの利用が進んでいるiOS端末やAndroid端末で利用できるのもポイントです。

 サービスに加入すると、専用のクライアントアプリを通じて、iPassが提携する国内外のWi-Fiホットスポットや3G/4Gサービスに簡単に接続できます。

クリス・チュリーロ氏(以下、チュリーロ氏) iPassが開発したクライアントアプリには、提携事業者すべてのWi-Fiスポットのデータが入っています。ユーザーがiPassのサービスエリア内でネットに接続したいと思ったら、Wi-Fiスポットを選んで接続ボタンをクリックし、iPassのユーザー名とパスワードを入れればアクセスできます。

 海外で公衆無線LANサービスを使う場合、何カ国も訪問する場合には行く先々で利用するIDやパスワード、WEPキーをISPごとに設定することになります。事前に調べるのは手間がかかりますし、サイトが外国語だと読むのも面倒なものです。iPass Open Mobile Platformなら、こうした準備をすることなく1つのIDとパスワードでインターネットにアクセスできるのです。

 このクライアントソフトには、社内や自宅で利用しているWi-Fiや、利用者が個人で契約している公衆無線LANサービスの設定も追加できるので、アイパスのネットワーク外のエリアでもクライアントソフトを使って接続できます。

 クライアントアプリは、PCやMac、Android、iOS向けのものを用意しているので、利用シーンに応じて端末を使い分けられます。

Photo Android向けクライアントアプリ。管理者が設定した利用限度に対して、どの程度使っているのかが一目で分かる

―― 管理者向けには、どのような機能が用意されていますか。

チュリロ氏 管理ポータルを提供します。社員がいつ、どこでどのネットワークを使って何時間アクセスしたかを把握できるので、利用状況を分析できます。3Gに比べて安価なWi-Fiを優先して使うようネットワークを指定することもできるので、通信コストも抑えられるでしょう。

 管理ポータルを通じて、企業のセキュリティポリシーを適用できるのも特徴の1つです。社員が自宅からネットワークにアクセスした場合に、強制的にVPNを立ち上げるようなこともできますし、ポリシーに合わないネットワークに接続したら強制的に切断することもできます。最近では、個人所有の端末を業務に使うケースも増えていますが、このサービスを使えば個人の端末も含めて安全に管理できます。

Photo 企業向けに117カ国68万超のWi-Fiスポットに接続できるサービスと、管理ツールを提供する

―― 日本市場では、どのような企業がターゲットになりますか。

クーリーン氏 海外ではモバイルデータ通信のコストを60%削減できたという導入事例もあるので、海外出張が多い企業には、ぜひお試しいただきたいです。そうでない企業でも、社内外で使うPCやMac、スマートデバイスに自動でセキュリティポリシーを適用できるクライアントアプリと管理ツールは役立つと思います。



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