年末商戦で各社大幅純増、ウィルコムは純減が続く――2010年12月契約数
TCAが発表した2010年12月末時点での携帯・PHS契約数は1億2070万8700件。前月比で0.5%増え、61万7900件増加となった。年末のボーナス商戦をにらんだ新製品が出そろい、ケータイ各社は純増したが、新生ウィルコムは引き続き苦戦を強いられている。
| グループ名 | 2010年12月純増数 | 累計 |
|---|---|---|
| NTTドコモ | 16万9600 2in1:−5600 |
5721万0000 2in1:40万6800 |
| KDDI | 9万5400 | 3252万7400 |
| ソフトバンクモバイル | 32万4900 DN:−500 |
2439万9900 DN:3万4500 |
| イー・モバイル | 7万1400 | 292万3600 |
| 携帯総計 | 66万1400 | 1億1706万0900 |
電気通信事業者協会(TCA)が1月11日、2010年12月末時点での携帯・PHS契約数を発表した。携帯電話とPHSの合計契約数は1億2070万8700件で、前月比では0.5%の増加となった。12月の年末商戦を迎えて各社の冬モデルラインアップが一通り出そろったほか、スマートフォンも多数発売されたこともあり、各社の純増数が大きく向上した。ただ、ウィルコムのみWILLCOM CORE 3Gを含めて純減となるなど、引き続き厳しい状況が続いている。
携帯電話単体では66万1400件の純増で、累計契約数は1億1706万900になった。ソフトバンクモバイルが特に好調な点はこれまで通りで、純増数は32万4900件をマーク。引き続きiPhone 4の販売が好調だったほか、12月17日発売のおサイフケータイ対応のシャープ製Androidスマートフォン「GALAPAGOS 003SH」が人気を博し、ユーザーを獲得。豊富なカラーバリエーションが特長のケータイ「PANTONE 3」などの冬商戦端末や、キャンペーンを実施している「iPad」による契約増も多いという。
純増2位はNTTドコモで、16万9600件の純増となった。ソフトバンクモバイルには及ばなかったものの、2010年6月以来の15万超え。大幅増の要因はやはり「LYNX 3D SH-03C」や「REGZA Phone T-01C」など、新たに発売されたAndroidスマートフォンにより端末ラインアップがさらに充実したことと、「BF-01B」「HW-01C」などのモバイルWi-Fiルーターが人気なことが大きいようだ。またフォトパネル(お便りフォトサービス)などのモジュールも大きく増えている。解約が少なかったことも純増に寄与した。
12月24日にサービスを開始したばかりのLTEサービス「Xi」は、契約数が1200件だった。これは年末の8日間の数字であり、年末年始にかけて休業する店舗も多いことから、2010年度末までに5万件という目標に向けて引き続き販売を強化するとしている。
KDDIは9万5400件の純増で、純増数では3位となったが、引き続き好調。人気のおサイフケータイ対応Androidスマートフォン「IS03」は機種変更が多いこともあり、純増が大幅に増えるといったことはなかったようだが、着実に契約増には貢献している。また「EXILIMケータイ CA006」や「SIRIUSα IS06」、データ通信端末「Wi-Fi Walker DATA05」など、12月に新たに販売が始まった新ラインアップも契約増に寄与した。
イー・モバイルも7万1400の純増で、冬商戦で存在感を示した。12月はkudarisaidai42Mbpsのデータ通信サービス「EMOBILE G4」がスタートし、対応端末「D41HW」などが新規の契約を獲得。12月17日に発売したAndroidスマートフォン「HTC Aria」も契約を多数獲得した。モバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi」も引き続きよく売れているという。
| MNP利用状況 | 差し引き |
|---|---|
| NTTドコモ | −3万2300 |
| KDDI | −3万7400 |
| ソフトバンクモバイル | 6万6400 |
| イー・モバイル | −500 |
番号ポータビリティの利用実績は、転入と転出の差し引きで見ると他社からソフトバンクモバイルへの流れが継続している。NTTドコモは11月に続き転出超過だが、純増が倍増している割に転出超過数は減っており、ドコモ広報部は「冬商戦のラインアップ拡充でユーザーの流出をある程度おさえることができた」としている。一方KDDIは転出超過の数が1万件強増えた。
ウィルコムのWILLCOM CORE 3Gが純減、UQは50万契約突破
12月1日に東京地方裁判所から会社更生計画の認可決定を得たウィルコムは、同日記者会見を開催して新生ウィルコムの新たな端末や料金プラン、新サービスなどを発表したが、残念ながら12月も純減が純増に転じることはなかった。PHSの契約数は364万7800件で4万3500の純減、WILLCOM CORE 3Gの契約数も12万8300と800の純減となった。合計契約数は377万6100件で、2006年3月以来の380万契約割れとなっている。
UQコミュニケーションズのUQ WiMAXサービスは、モバイルWi-Fiルーター「WiMAX Speed Wi-Fi」が好評で8万9200件の純増となった。累計契約数は52万4400件で、初めて50万契約を突破した。
| ウィルコム | 2010年12月純増 | 累計 |
|---|---|---|
| PHS | −4万3500 | 364万7800 |
| WILLCOM CORE 3G | −800 | 12万8300 |
| 計 | −4万4300 | 377万6100 |
| UQコミュニケーションズ | 2010年12月純増 | 累計 |
|---|---|---|
| UQ WiMAX | 8万9200 | 52万4400 |
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