KDDIは2016年度の電力消費量を30%削減する計画で、携帯電話の基地局に太陽光発電システムと蓄電池を順次導入していく。これまで11か所の基地局で進めてきた実証実験の結果をもとに、2013年3月までに100か所の基地局へ設置を急ぐ。
KDDIはグループ会社を含めた中期環境計画「KDDI GREEN PLAN 2012-2016」を5月30日に発表した。その中で重要な施策の一つとして、携帯電話の基地局に太陽光発電システムと蓄電池を導入する計画を盛り込んだ。
KDDIは2009年12月に最初の太陽光発電システムと蓄電池を新潟市の基地局に設置して、通常の電力と組み合わせた3系統による「トライブリッド方式」の電力供給体制に取り組んできた(図1)。
その後もトライブリッド方式の基地局を11か所まで増やして検証を続けた結果、年間のCO2排出量と電力コストを最大で40%削減できることを確認したという。この検証結果をもとに、2013年3月までに100か所の基地局に太陽光発電システムと蓄電池を導入する計画である。
KDDIが独自に開発した「トライブリッド電力制御技術」は、昼間の太陽光発電による電力と、夜間に充電した蓄電池の電力を活用して、基地局内の機器が使用する電力量を24時間にわたって安定化させることができる(図2)。
電力会社からは単価の安い深夜の時間帯に多くの電力を購入する一方、昼間の電力購入量を最小限に抑えて、コストを削減する。電気料金の値上げが相次ぐ中で、40%ものコストを削減できることは、特に電力を24時間利用する企業には参考になりそうだ。
KDDIは独自の電力制御装置を介して、太陽光パネルと蓄電池、基地局の各種装置を最適に制御する仕組みを構築した(図3)。これと同様の仕組みを同社のデータセンターにも導入している。
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