7月1日から始まる「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」に伴って、電力会社が買い取るコストを利用者側が負担する「賦課金」の料率が確定した。1kWhあたり一律0.22円で、これに従来からの「太陽光発電促進付加金」を加えると全国平均で0.3円が電気料金に上乗せになる。
経済産業省は再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する法令を6月18日に施行し、その中で利用者側が負担する「賦課金」の単価も決定した。2013年3月までに電力会社が買い取る見込みの金額をもとに算出したもので、1kWhあたりの電気料金の単価に一律で0.22円を賦課金として上乗せする。家庭向けの料金で1〜1.5%程度、企業向けで2〜3%程度の値上げになる。
これまでも太陽光発電による電力を買い取る制度があり、そのコストは「太陽光発電促進付加金」という名目で電気料金に加算されてきた。電力会社ごとに付加金の額が異なり、2012年度は最も高い九州で1kWhあたり0.15円、最も安い北海道では同0.03円と差があった(図1)。各地域における太陽光発電の買取量の差によるものだ。
7月からの固定価格買取制度のもとでは賦課金は全国一律になる。ただし従来の太陽光発電促進付加金は前年度分を次の1年間にわたって電気料金に上乗せするため(図2)、2012年度と2013年度は新しい再生可能エネルギーの賦課金と両方が加わる形になる。この結果、2012年度は全国平均で1kWhあたり0.3円が電気料金に加算される。なお電力使用量に関係なく固定で電気料金が決まるプランで契約している場合は、これとは別の料率になる。
このところ電気料金の値上げが続く中で、さらに料金が上がってしまうことになるが、日本の将来のエネルギー供給体制を健全な形で構築するためには、やむを得ない負担と考えられる。企業も家庭も継続的な節電によって、この程度のコスト増加分を吸収して、再生可能エネルギーの拡大に貢献する責任があると言えるだろう。
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