北海道にも28MWの風力発電所、加速するJ-POWERの建設計画自然エネルギー

先ごろ愛媛に20MWの風力発電所を建設すると発表したばかりのJ-POWERが、北海道にも28MWの大規模な風力発電所を建設する。運転開始は1年半後の2014年3月と早い。J-POWERの風力発電所は全国で20か所になり、発電規模は400MWを超える。

» 2012年09月28日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 J-POWER(電源開発)が風力発電所を建設する場所は北海道のほぼ南端、函館から西へ約50キロメートルの位置にある上ノ国町(かみのくにちょう)である(図1)。この海に面した町の丘陵に12基の大型風車を設置して、「上ノ国ウインドファーム」を建設する計画だ。1基あたり2.4MW(メガワット)の発電能力があり、合計で28MWの規模になる。

図1 J-POWERが北海道で展開する風力発電所。出典:J-POWER

 すでに9月から工事を開始しており、1年半後の2014年3月から運転を開始する予定である。J-POWERは北海道だけで4か所の風力発電所を運転中で、合計68MWの発電設備を保有している。上ノ国ウインドファームが完成すると北海道だけで90MWになる。愛媛で2014年9月に稼働する予定の「南愛媛風力発電所(仮称)」を加えると、全国で400MWを超える規模になる見込みだ。

 風力発電は風速によって発電できる電力量が大きく変わるため、通常は平均の風速が5.5メートル/秒を超える場所に風車を設置する。風速が5.5メートル/秒の場合で、1MWの発電能力に対して年間に150万kWh程度の発電量が見込める。400MWだと年間に6億kWhの電力を供給することができる。一般の家庭が年間に使用する電力は約3000kWhで、20万世帯分に相当する。

 J-POWERは「卸電気事業者」として電力会社に匹敵する発電設備を保有しており、電力の大半を電力会社に供給している。従来は水力発電と火力発電が中心だったが、最近は風力発電をはじめ再生可能エネルギーによる発電設備を増強中だ。一方で原子力発電所の計画もあり、青森県で「大間原子力発電所」の建設を進めてきたが、現在は休止している。

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