東芝とシャープに低評価、環境に優しい電機メーカー・ランキングで自然エネルギー

国際的に環境問題を追及するNGOのグリーンピースが、「環境に優しい電機メーカー・ランキング」の最新版を発表した。携帯電話、パソコン、テレビを世界規模で製造しているメーカー16社が対象で、日本の4社は軒並み低い評価だった。特に東芝とシャープは最下位から2番目と3番目だ。

» 2012年11月22日 07時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 グリーンピースは2006年から「環境に優しい電機メーカー・ランキング」を公表しており、このほど最新の第18版を発表した。評価項目は「エネルギー」「有害化学物質の削減」「持続可能な製造」の3分野で、それぞれ4つの項目に関して各メーカーの取り組みを4段階で評価している。

 このうちエネルギーに関しては「クリーンエネルギー」の利用促進に重点を置いている。グリーンピースがクリーンエネルギーに位置付けているのは再生可能エネルギーだけで、火力や原子力は含まない。

 最新のランキングを見ると、日本のメーカーは極めて低い評価をつけられた(図1)。ソニーが16社中の8位で最も高く、パナソニックが11位、シャープが13位タイ、東芝が15位である。ソニー以外の3社は前回から順位を下げている。

図1 環境に優しい電機メーカー・ランキング。出典:グリーンピース

 最も評価が低かった東芝から理由を見ていく。東芝は全12項目のうち、「化学物質の管理と政策への働きかけ」の1項目だけが4段階のうち2番目のMediumである。そのほかの11項目は3番目のLowか最低のZeroだった。

 クリーンエネルギーに関しては政策に対する働きかけがZeroで、導入プランの内容や利用目標の公表などの点でもLowをつけられている。原子力を推進しているメーカーに対しては当然の評価と言えよう。

 シャープは「製品の省エネ」に関して最高評価のHighを得たが、それ以外の11項目は東芝と同様にLowかZeroだった。クリーンエネルギーに関しては4項目すべてがLowである。パナソニックは製品の省エネでHighだったほかは、すべてMediumかLowだった。

 ソニーもHighのスコアを得たのは製品の省エネだけだが、クリーンエネルギーに関しては日本のメーカーで唯一Mediumの評価を受けている。「導入プランの内容」と「利用目標の公表」の2項目である。グリーンピースによると、ソニーは電力のうち10%に再生可能エネルギーを利用しており、今後さらに利用効率を改善する計画が評価された。

 グリーンピースはIT企業を対象にした同様のランキング「クール ITリーダーボード」の最新版も2月に公表している。省エネに役立つITソリューションを提供している21社が対象で、日本企業では富士通(3位)、シャープ(7位タイ)、ソフトバンク(7位タイ)、NTT(17位)、NEC(18位)の5社が評価を受けた。次回のランキングは2013年2月に公表する予定だ。

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