県本庁舎など85施設の電力を新電力から調達、新電力利用率は9割に電力供給サービス

神奈川県は神奈川県本庁舎など85施設の電力を新電力から調達する。入札の結果、4社が担当することになった。県はこれまで県立高校160校の電力を新電力であるエネットから調達するなど、積極的に電力コスト削減に取り組んでいる。

» 2013年02月01日 17時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 神奈川県は今回の契約で、東京電力と契約した場合と比べると年間の電気料金を大体6639万円削減できると見ている。契約期間は2013年4月1日〜2014年3月31日の1年間。契約満了が近づいたら、再び入札を開催して、電気料金を見直すとしている。、

 今回の入札で、県は新電力にとって契約しやすい状況を作るため、81の施設を7つのグループに分割した。新電力にとっては、施設1カ所だけの契約では大きな利益が見込めない。しかし、すべてを任せられても新電力の電力調達力では十分な電力を調達できない。

 7つのグループの内訳は「本庁庁舎(図1)ほか15施設」「横須賀合同庁舎ほか4施設」「温泉地学研究所ほか13施設」「平塚保健福祉事務所ほか17施設」「東部総合職業技術校ほか4施設」「横須賀土木事務所ほか9施設」「県立図書館ほか12施設」。これらのグループでは契約書の取り交わしや電気料金の支払いといった手続きはグループ単位で処理し、事務処理の簡素化も図っている。

図1 神奈川県本庁舎。通称「キングの塔」。出典:神奈川県

 上記の7グループに加え、総合防災センター、産業技術センター、神奈川工業高校、神奈川総合高校、運転免許本部で使用する電力供給者を新電力に切り替えた(図2)。

図2 今回の入札で新電力から電力供給を受けることになった施設

 神奈川県はこれまで県立学校の電力供給を新電力から受けるなど、新電力を利用して電力コストを下げる動きを進めている。今回新たに85施設が新電力から電力供給を受けることになり、県施設の9割が新電力から電力供給を受けることになった。

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