省エネ率50%のエコストア、高効率空調や太陽光発電で実現スマートショップ

流通大手のイオングループが2020年度までにエネルギー使用量を50%削減する計画の一環で、次世代エコストア「スマートイオン」を拡大中だ。新店舗が4月12日に千葉県内にオープンする。高効率の空調機器や冷凍・冷蔵機器をはじめ、太陽光発電と蓄電池、LED照明を全面的に採用した。

» 2013年04月11日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 スマートイオンの新店舗は千葉県の船橋市に4月12日に開店するシッピングセンターの「イオンタウン新船橋」(図1)で、国土交通省がCO2を削減する先導的な建築物として採択したモデルプロジェクトである。現時点で導入可能な節電・蓄電・発電の設備をフル装備して、エネルギー使用量を従来の店舗と比べて50%削減する意欲的な取り組みだ。

図1 「イオンタウン新船橋」の完成イメージ。出典:イオンタウン

 節電対策として高効率の空調システムを導入したほか、食品スーパーの冷凍・冷蔵ケースにはフロンを使わない高効率のCO2冷媒冷凍機を採用した。ショッピングセンター内の照明はバックヤードの部分を含めてすべてLED照明に統一している。

 蓄電・発電では屋上と中庭に合計13.5kWの太陽光パネルを設置して、発電した電力を蓄電池に充電しながら、照明や井戸の水揚げポンプに利用する。敷地内には井戸があり、トイレや植栽用の水として利用するほか、空調機の冷却にも生かす。

 ショッピングセンター内で稼働する電気機器はBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)で遠隔監視と運転管理ができるようになっていて、通常の場合と比べて電力使用量を10〜15%削減する。さらにテナントで入居する店舗の電力使用量もスマートメーターで測定して、店内に設置した警報付きの電力モニターで表示する徹底ぶりだ。テナントはイオングループの食品スーパーを含めて合計26店舗ある。

 イオングループは3月15日にスマートイオンの第1号として福岡県の北九州市にある「イオンモール八幡東」をリニューアルオープンさせた。第2号がイオンタウン新船橋で、新店舗では初めてのプロジェクトになる。

 続いて6月には大阪府に「イオンモール大阪ドームシティ」、12月には千葉県に「イオンモール幕張新都心」がスマートイオンの第3号、第4号としてオープンする予定だ(図2)。イオンモール大阪ドームシティではガスコージェネレーションを導入して、電力と熱を自給できる防災対応型のスマートイオンになる。

図2 「イオンモール大阪ドームシティ」(左)と「イオンモール幕張新都心」(右)の完成イメージ。出典:イオンタウン

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