マンション全体で使用する電力を削減して電気料金を引き下げることができるMEMS(マンション向けエネルギー管理システム)の市場が盛り上がってきた。MEMSを提供するアグリゲータが24社に増え、総額130億円の補助金を活用した電力・エネルギー管理の高度化プロジェクトが動き出す。
経済産業省はMEMS(マンション向けエネルギー管理システム)の補助金の対象になるアグリゲータを2段階で募集した。3月末には6社がアグリゲータに認定されて、提供するサービスの価格も発表済みだ。さらに約1か月遅れて18社が4月26日に認定を受け、合計24社で総額130億円の補助金をめぐる受注競争を開始する(図1)。
新たに認定を受けた2次採択の18社のうち、経済産業省がオフィスビルを対象にしたBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)でも認定しているアグリゲータが3社ある。BEMSで最大手のエナリスのほかに東芝と富士通だ。1次採択のNTTファシリティーズ、洸陽電機、日立製作所を加えて6社がBEMSとMEMSの両方でアグリゲータになった。
すでに1次採択のアグリゲータは補助金の対象になるMEMSの概要や価格などを発表している。2次採択の18社も5月中にはサービスの概要や価格を具体的に提示して受注競争に加わる見込みだ。
MEMSの場合はシステムを構成する機器がBEMSより多岐にわたり、提供するサービスにも各社で違いがあるため、価格に大きな開きが出る。マンションの管理会社や管理組合にとっては24社のサービスを比較して最適なアグリゲータを選ぶことは難しそうだ。いち早く導入事例を増やしたアグリゲータが受注活動で有利になるだろう。
MEMSの補助金対象サービス、アグリゲータ6社の価格に大きな開き
マンション向けMEMSの補助金が4月から開始、年間800棟に適用へ
国内のBEMS市場拡大へ、認定アグリゲータ21社が決定
キーワード解説:マンションの電力を集中管理する「MEMS」
キーワード解説:「高圧一括受電」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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