阪急電鉄は京都市内の2つの駅とトンネルの内部にある照明や電照看板をLEDに切り替えて、電力使用量とCO2排出量を54%削減した。LED照明・電照看板の本数は合計4261本にのぼる。地下空間の雰囲気を演出するために、色温度の異なる4種類のLED照明を使い分けた。
京都市の中心部にある「河原町駅」と「烏丸駅」、さらに両駅をつなぐ地下通路のほか、電車が走る地下トンネルを含めて、照明や電照看板が一斉にLEDに切り替わった(図1、図2)。阪急電鉄が環境省の「低炭素地域づくり集中支援モデル事業」のモデルとして実施したもので、合計4261本のLED照明を導入した。
LEDの特徴を生かして、4通りの調光制御機能を取り入れた。設置場所に合わせて、床面の明るさ、外光の明るさ、混雑度、時間帯、のいずれかによって照明の明るさを自動的に制御する。これにより電力使用量とCO2排出量を従来と比べて54%も削減できた。
場所ごとに色温度の異なるLED照明を使い分けている点でも工夫が見られる。百貨店や商店街と直結する河原町駅では、日常生活に近い雰囲気を出せる「温白色」を採用した(図3)。もう1つの烏丸駅はオフィス街にあることから、オフィスの照明で多く使われている「昼白色」で統一した。
このほか地下通路の照明は「白色」、地上への出入口の照明は「電球色」にするなど、4種類のLED照明を選定した。駅の照明と違う色にすることで雰囲気を変え、出入口の視認性を高める狙いもある。
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