首都圏で運行する小田急電鉄が鉄道の車両では初めて、明るさを変えられる「調光」が可能なLED照明を採用する。新型の車両に搭載して3月4日から運転を開始する予定で、従来の蛍光灯と比べて消費電力を50〜76%も削減できる見込みだ。
これまで小田急電鉄は節電対策として、車内の蛍光灯を間引いて消費電力を削減してきた。3月4日に導入する新型の「4000形」では、3段階に明るさを変えられる調光機能付きのLED照明を全面的に採用して、明るさを調整しながら消費電力を大幅に削減する。
蛍光灯と同じ明るさの「全光」の状態でも約50%の電力削減が可能になり、従来のように照明を間引いた状態と同じ明るさの「調光レベル1」では削減率が62%に上昇する。さらに明るさを落とした「調光レベル2」にすると76%の電力を削減できる(図1)。調光レベル2の状態でも、JIS規格で客室内に必要な明るさとして定められている「200ルクス以上」の条件をクリアする。
今回採用した調光機能付きのLED照明は、メーカーの東芝ライテックと共同で開発した。小田急電鉄では引き続き新型車両に加えて、既存車両のリニューアル時にも、車内の照明を調光機能付きのLEDに切り替えていく計画だ(図2)。
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