沖縄のLNG火力が倍増、25万kWを2基増設電力供給サービス

石油火力、石炭火力に頼る沖縄電力が、LNG火力を増強しようとしている。コンバインドサイクルを採用し、効率を高める動きだ。沖縄電力は火力発電に依存する比率が高いため、LNG火力採用は大きな意味がある。

» 2013年05月28日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 沖縄電力は火力発電に極端に依存している。依存率は100%近い*1)。そのため、火力発電の効率化が重要だ。その手段の1つがLNG火力発電である。沖縄県南部の中城村で、効率のよいコンバインドサイクルを採り入れたLNG火力発電機が続々と動き始めた。

*1) 2012年3月末時点で、重油や石炭を使う汽力発電所は4カ所にあり、総出力は146万7000kWである。汽力発電が最も重要だ。この他、灯油や重油を使うガスタービン発電所が4カ所(29万1000kW)、重油を使う内燃力発電所が13カ所(17万5000kW)ある。吉の浦火力発電所の占める割合の高さが分かる。

 2013年5月には、吉の浦火力発電所の2号機の営業運転を開始、出力25万1000kWの発電機2機を用いた(図1)。LNGを貯蔵するために容量14万kLのタンク2基と、LNG輸送船が接岸するためのバース、LNGを陸上に運ぶ配管橋など約1350mの設備も用意した。

 吉の浦火力発電所は、2002年に建設が決まった発電所。環境アセスメントなどを終えた後、2007年から工事を開始、2012年11月にLNGを使う1号機(25万1000kW×4機)の営業運転を開始したばかりだ。今後は3号機と4号機の運転を2022年以降に開始する予定である。

図1 吉の浦火力発電所の全景。出典:沖縄電力

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