南アフリカから日本へ、適地でメガソーラーを展開する自然エネルギー

太陽光発電に熱心なサンベルト地帯から日本へ。メガソーラー事業の中心地が欧州から変化してきている。

» 2013年06月12日 13時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 メガソーラー市場は欧州からサンベルト諸国へ、さらには日本へと規模を増やしながら広がっていく。

 伊藤忠商事は、メガソーラー事業に熱心な南アフリカ共和国(南アフリカ)に注力している。同社が37.5%を出資するノルウェーScatec Solarは、2014年末に運転を開始する予定のメガソーラーの建設に着工した。南アフリカの銀行との融資契約を結んでおり、事業費は約3億ユーロだ。

図1 南アフリカに建設するメガソーラーの立地

 メガソーラーの立地は2カ所に分かれており、合計出力は115MW。160haの土地に約46万枚の太陽電池モジュールを設置する。年間225GWh以上の発電量を見込む。設備利用率が22%以上になる計算だ。日本国内の2倍近い設備利用率であり大変に効率がよい。

 今回のメガソーラーは20年間の売電契約を国営電力会社Eskomと締結している。南アフリカ政府が国内での再生可能エネルギー導入を推進するために、政府保証を付け、Eskomを通じて、再生可能エネルギーを利用して発電された電力を買い取る制度REIPPP(Renewable Energy Independent Power Producer Procurement)の適用を受けた。

 南アフリカ政府は2030年までに電力のうち17.8GWを各種の再生可能エネルギーから得る計画だ。うち太陽光発電では2020年までに2012年比で1.075GWを追加し、2030年までに累計8.4GWを目指す。メガソーラーに対する固定価格買取制度(FIT)の料金は2013年時点で2.338ランド/kWhだ。これは2013年6月時点で、22.3円に相当する。

日本でもメガソーラーを展開

 伊藤忠商事には、今後、日本国内でScatec Solarと協働でメガソーラー事業を展開していく意図がある。100MW相当のメガソーラーの開発・建設を進めていくという。1997年から戸建て住宅向けの太陽光発電の設置サービスを展開してきた日本エコシステムは伊藤忠商事が筆頭株主であり、2012年には日本エコシステムと楽天が事業提携で「楽天ソーラー」を開始している。「(太陽光発電の)川下事業でノウハウを築いている。国内でもメガソーラーを展開する能力があると考えている」(伊藤忠商事)。

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