真夏のような暑さに見舞われた関西電力の管内で6月13日、14日の2日連続で昼間の電力需要が大幅に増加した。13日は14時台にピークに達し、この時期としては異例の需給率が95%を突破する事態になった。14日には供給力を増やしたものの、14時台に95%近くまで上昇している。
7月1日からの節電シーズンを前に、早くも関西電力の管内で需給率が95%を超える状況になっている。6月13日(木)は大阪府を中心に気温が35度を上回り、昼間の電力需要が一気に増加した。
ピークの14時台には使用電力が2360万kWに達し、供給力2465万kWに対して95.7%の高い水準になった(図1)。需給率が97%を超えると、発電所のトラブルなどが発生した場合に停電の危険があり、そのレベルに近づいていた。
引き続き14日(金)も35度前後の猛暑で、14時台には2368万kWと前日のピークを上回った。関西電力は急きょ供給力を69万kW増やして2502万kWで対応したため、需給率は94.6%で収まった。もし供給力を増やしていなければ、需給率は危険レベルの97%を超える状況だった。
4月に政府がまとめた今夏の需給予測でも、関西は全国で最も厳しい状況になることが予想されていた。7月〜9月の予測では、3か月連続で需給率が97.0%(予備率3.0%)になる見通しだ(図2)。
ただし7月と8月の供給力は2932万kWを確保できる見込みで、6月13日の供給力よりも400万kW以上も増える。かりに2932万kWの供給力があれば、6月13日の需給率は80.5%にとどまっていた。
関西電力は夏の需給率が97%に達する予測を国に報告しながらも、今のところ節電目標を設定しない方針をとっている。まだ7月以降の供給力には余裕があると見るのか、あるいは今年の夏は予測以上の電力需要が発生する可能性が出てきたと考えるべきなのか、政府を含めて早急な検討が必要だ。
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