電力中央研究所は、経済状況と気温、節電の3つの要因から2013年度の電力需要を予測した。気温が平年並みの場合、前年度比0.7%増にとどまる。2000年以降の気温と比較して最も厳しい場合は1.4%増まで伸びるが、最も穏やかだった場合は1.6%減少するという。
電力中央研究所は、2013年6月24日、短期経済予測と電力需要予測を発表した。世界経済と原油価格の動向に基づいた予測である。
それによれば、2013年度の電力需要は前年度比0.7%増と伸びるが、2014年度は同0.3%にとどまるという。これは2012年度並の気温と節電の継続を条件とした予測だ。
電力需要が増加する理由は経済状況と、気温、節電にある。経済状況では投資マインドが弱く、自律的回復が道半ばという概況である。とはいえ、2013年度は実質GDPが前年度比2.6%増と加速する。これは円安と世界経済回復による外需、公共投資の増加、消費税率引き上げ前の駆け込み需要を想定した数字だ。2014年度は0.5%増と鈍化する。駆け込み需要と公共投資増の反動を考慮に入れたためだ。なお、2012年度は前年度比1.2%増だった。
電力需要は気温の水準に強い影響を受けるため、夏季と冬季の気温水準に基づいたシミュレーション結果も明らかにした。それによれば、経済状況が予測通りであり、2013年度が猛暑厳寒だった場合、電力需要は前年度比1.4%増まで伸びる(図1)。これは先ほどの予測よりも0.7ポイント高い数値だ。夏季の気温が2000年以降最も暑かった2010年度並、冬季が同じく最も寒かった2011年度並の気温だったときの結果である。
冷夏暖冬だった場合はどうだろうか。前年度比1.6%減へと縮小する。これは夏季が2000年以降最も涼しかった2003年度並、冬季が同じく最も暖かかった2006年度並とした場合の予測だ。
なお、気象庁は2013年6月25日、7〜9月の3カ月予報を発表している。それによれば、太平洋高気圧が北日本と東日本を中心に平年より強く張り出すため、3カ月平均では、北日本、東日本では高温、西日本では高温傾向が見込まれる(図2)。特に8月は北日本、東日本、西日本で、平年に比べ晴れの日が多いとした。
図2からは、例えば8月の西日本は平年より気温が低くなる確率が20%、平年並みの確率が40%、平年より高い確率が40%であることが読み取れる。
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