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» 2013年06月28日 18時30分 公開

ウイークエンドQuiz:最も効率の高いLED照明は? (2/2)

[ITmedia]
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正解:

 d.約7倍

ミニ解説

 LED照明を作るには、2種類の半導体材料が必要だ。2種類の半導体をすき間なく並べ(接合し)、電流を流すと境界で発光する。2種類の半導体材料とは、p型半導体とn型半導体だ。p型半導体側から流れてきた電子と、p型半導体から流れてきた正孔(ホール)が、接合面(pn接合)で結合し、光に変わるという仕組みだ。

 このような「単純」な仕組みであるため、理想的な場合に1Wの電力がどの程度の量の光に変わるかを計算できる。計算によれば人の目の感度が最も高くなる波長555nmの緑色の光(単色光)を作り出した場合、683lm/Wだ。従って、正解はdの約7倍だ。

 具体的に発光効率が高いLED照明を作り出すにはどうすればよいのだろうか。LED照明の発光効率は4つの項を含む、次のような式で計算できる。

  • 発光効率 = 電力効率 × 内部量子効率 × 取り出し効率 × 白色変換効率

 電力効率とは入力電力に対する出力電力の割合を言う。LED照明は電力を自己消費するため、100%にはならない。内部量子効率とはLEDに流した電流(電子の個数)のうち、何個が光子に変わったかという比率だ。先ほどの接合面でも100%が光に変わるのではない。取り出し効率とは、発生した光子の個数に対して、LEDチップの外部に放出される光子の比率をいう。せっかく光に変わっても内部で再吸収されるものがあるため、これも100%にはならない。白色変換効率とは、単色光を白色光に変える際の効率だ。LEDは仕組み上、何らかの色の単色光を発する。現在市販のLED照明では青色光を発しており、この一部を蛍光体によって黄色に変え、青色と黄色の混色で白色光に見せている。ここでも無駄がでる。

 例えば117lm/Wという発光効率のLED照明があったとしよう。どうしてこのような値になるのだろうか。例えば次のような場合が考えられる。以下に挙げた数値は比較的現実的なものだ。

  • 683lm/W × 0.8 × 0.65 × 0.6 × 0.55=117lm/W

 4つの項のうち、最初の3つの項は0.9以上に高められる見込みがある。するとここまでの計算で497lm/Wになる。課題があるのは最後の白色変換効率であり、この部分の効率でLED照明自体の発光効率が決まる。0.55のままであれば、273lm/Wだ。

2015年時点で200lm/Wが実現

 現時点で最も高効率なLED照明は、オランダRoyal Philips Electronicsが開発し、2013年4月に発表したものだ(図1)。発光効率は、200lm/Wであり、蛍光灯の2倍も効率が高い。4つの項目の値がどのようになっているのかは不明だが、特に劣った値のものがないことは推測できる。

 同社によれば、開発品を2015年にオフィス用または産業用のLED照明として市場に投入する予定だ。

図1 世界最高効率をうたうLED照明。出典:オランダRoyal Philips Electronics

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